1988 Fiscal Year Annual Research Report
実験的敗血症モデルにおける受容体作用薬の効果に関する研究
Project/Area Number |
62570704
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定光 大海 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10187164)
前川 剛志 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (60034972)
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Keywords | 敗血症性脳症 / 脳内モノアミン / セロトニン代謝回転 / 受容体結合 / サブスタンスP. |
Research Abstract |
敗血症における中枢神経系の抑制状態に神経ペプチド(SubstanceP:SP)がどの様な役割を果しているかについて、脳及び脊髄における受容体結合の変化を中心に検討した。ラット33匹を用い、前年度と同様の敗血症モデル(盲腸結紮及び穿孔)を作成し、意識障害が重篤となった時点(運転活性及び情動行動の抑制、疼痛閾値上昇及び脳波の徐波化:11±1時間)で断頭し、〔^<125>I〕Bolton Hunter Substance P(^<125>IBHSP)をプローベとし、定量的インビトロ・オートラジオグラフィーでSP受容体結合を測定した。その結果、SP受容体結合は、敗血症群は疑似手術群に比べ終脳の前帯状回(70%)、尾状核一被殻(50%)、淡蒼球(60%)、海馬(70%)、扁桃体(70%)、中隔核(80%) 、脚間核(60%)、縫線核(40%)及び小脳(70%)で有意に低値を示した。一方、Scatcnard解析では、敗血症群は疑似手術群に比べ、最大結合数(Bmax)は、尾状核一被殻、海馬、扁桃体、中隔核、脚間核、縫線核で60-80%と有意に低値となった。また、親和定数(Ka)は、尾状核一被殻、海馬、脚間核及び脊髄後角で130-220%と有意に高値となった。以上のことから、敗血症性脳症時は、局所脳SP受容体数の減少を伴うことが明らかとなった。局所機能発現(意識障害、内分泌異常など)における他の神経伝達物質との相互作用を考える上で興味ある知見と考えられる。また、本研究結果は、敗血症時、神経ペプチドSPの受容体が変化することを初めて明らかにしたものである。 本研究目的のひとつである受容体作用薬の効果については、現在検討中で、上記結果を基に、敗血症における病態及び効果的薬剤の選択について今後展開させてゆく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 石川敏三 他: 麻酔.
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[Publications] Ishikawa,T.,et al.: Brain Research.