1988 Fiscal Year Annual Research Report
肺病変修復過程の解明-肺胞上皮細胞増殖因子および肺水腫液吸収促進因子の検索-
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62570705
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
須加原 一博 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20171126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 一男 熊本大学, 医学部, 助手 (60136752)
田上 正 熊本大学, 医学部, 助手 (60145323)
清田 武俊 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (10192022)
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Keywords | 肺胞II型上皮細胞 / 肺表面活性物質 / 呼吸不全 / 修復過程 / 増殖因子 / 人体材料 |
Research Abstract |
1.ヒト肺胞II型上皮細胞の分離培養と肺サーファクタント・アポ蛋白分泌の測定;肺切除患者の切除肺からヒト肺胞II型上皮細胞の分離培養を試みた。11症例中purityが50%以上であった8例では、切除肺1g当たり2.7×10^6個の肺胞II型上皮細胞が得られ、そのpurityは71.0±3.4%であった。形態学的には、ラット肺胞II型上皮細胞と類似していたが、ヒト肺では層状封入体が小さく、数がおおかった。中にはmulticentricの染色では、ラット肺と同様に染色された構造に少し差が見られた。1日培養細胞で黒木らの方法を用いてアポ蛋白を測定すると、3時間で33.1±8.1ng/10^6細胞、6時間で35.3±4.9ng/10^6細胞分泌され、ADP(10-^3M)付加により約2倍に増加した。2.分離肺胞II型上皮細胞の機能;(1)シリカのin vitroでの影響、透過性膜を用いて肺胞II型上皮細胞の増殖能(^3H-thymidine uptake)をみると、シリカで刺激された肺胞マクロファージ培養液は48時間でuptakeを46.9%で抑制した。シリカのみでは93.1%であった。(2)生体内培養、diffusion chamberを用いラット腹腔内あるいは皮下に植え込み2週間後に取り出すとin vitroに比し細胞増殖像が著明であった。腎臓被膜内への細胞移植を試みている。Ussing chamberによるイオントランスポート機能も著明であった。(3)細胞外マトリックスの影響、fibronectinは肺胞II型上皮細胞の付着成分の一つでfibronectin上に培養した肺胞II型上皮細胞膜は電気抵抗が大きい。蛍光抗体法でアクチンやケラチンフィラメントが増大していた。プロデオグリカンの肺胞II型上皮細胞増殖分化への影響を調べている。3.気道粘膜上皮細胞の機能;粘膜上皮依存性の気管平滑筋収縮抑制作用が吸入麻酔薬により抑制されていること、イオントランスポート機能と平滑筋収縮とは互いに独立していることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 須加原一博: 日本界面医学会雑誌. 19. 148-151 (1988)
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[Publications] 須加原一博: 呼吸. 7. 185-191 (1988)
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[Publications] 須加原一博: 呼吸と循環. 36. 609-614 (1988)
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[Publications] 馬場知子: 麻酔. 37. 638-645 (1988)
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[Publications] Taketoshi KIYOTA.: Japanese Anasthesia Journals' Review. 3. (1988)
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[Publications] 須加原一博: "バイオサーファクタント" サイエンスフォーラム, (1989)