1988 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎麻酔下思春期患者の突然死の疫学的調査と臨床的観察
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62570708
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田中 亮 北里大学, 医学部, 教授 (00050360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 瑞枝 北里大学, 医学部, 助手 (80175827)
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Keywords | 脊椎麻酔 / 思春期患者 / 突然死 / 虫垂切除術 / 医療過誤 |
Research Abstract |
脊椎麻酔による突然死は本研究の成果の報告により麻酔科領域、外科領域、医療事故担当の法律家の間で話題となり注目された。当該年度は下記学会で本研究成果を口述発表した。本年5月下旬米国ワシントン市で開催された第9回世界麻酔学会で(脊椎麻酔にともなう心停止の研究)として報告し、今迄に明らかにされていない麻酔死として注目され、活発な討論があった。類似の経験を期待したが諸外国の中、米国では報告があり研究者は熟知している。9月24日岡山市で開催された第7回日本蘇生学会で(思春期患者の脊椎麻酔死の検討)を口述発表した。このタイプに該当する症例で法廷で争っているという体験を報告した研究者がいた。免疫応答がこの年令層では異なるという意見もあった。本年は神奈川県内で一例死亡例がありこれを詳細に調査した。11月下旬に大阪市を中心に麻酔科医(指導医)四名を訪問し本疫学的調査を行ない情報を集めた。思春期患者を脊椎麻酔で手術する際の法的論点、とくに患者の意志決定については京都大学法学部塚田敬義研究生と意見を交え、その問題点をまとめることとした。本年は事故に遭遇した外科開業医2名に面接し死亡するまでの臨床経過を詳細に聴取できた。患児は13歳男児で元来健康である。160cm、50kg、薬剤アレルギー歴もない。ネオペルカミン1.5mlをL_3、L_4間に注入し、脳脊髄液で3mlとしてバンピングを行った。麻酔レベルは臍部で虫垂切除は無事終了した。手術終了後異常なかったが3時間後に呼吸停止、心停止となり蘇生術を行ない近隣の救命センタに搬送したが死亡した。本症例も過去の症例と同様にモニタされていない時間帯で異常がおこっており原因不明である。過去の30例の中アレルギー反応と考えられるものもあるが共通因子は突然に心停止をきたしたことである。
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Research Products
(1 results)