術前に於ける呼吸筋の疲労状況と術後肺合併症との関係

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62570709
• Research Institution: Showa University
• Principal Investigator: 安本 和正 昭和大学, 医学部, 助教授 (90054030)
• Keywords: 呼吸筋 / 横隔膜 / 筋電図 / 上腹部手術 / 術後肺合併症

Research Abstract

術前における呼吸筋の疲労状況と術後肺合併症発生との関係を明らかにする事を目的として、上腹部手術例を対象に2年間にわたって研究を行い当該年度において以下の結論を得た。
1.肺合併症発生例では、吸気負荷遂行時間が短かく、その上MIPも減少している傾向を得た。発生例では%肺活量並びに一秒率はいずれも正常であったが、術後肺合併症発生予測スコアの点数はいずれも12点以上と、高値であった。
2.IVHに栄養依存している例では%〓25は減少し、その上CV/VCは高値を呈した。この傾向は高齢者において特に強かった。
3.本年度の結果により、術後肺合併症発生例では術前より呼吸筋は疲労しやすい状況にある事が示唆された。しかし肺合併症発生例が少ない為、推計学的処理を行う事が出来なかった。
4.今後は上記の結果を推計学的に明らかにする事が必要である。その点には呼吸筋の動態をより簡単に測定する検査法の出現が望まれる。今回行ったMIPとMEPの測定はその一つであるが、呼吸筋の寄与率などと平行して検討する予定である。

Research Products

• [Publications] 安本和正: 人工呼吸. 5. 69-73 (1988)
• [Publications] 安本和正: 臨床麻酔. 13. 313-321 (1989)
• [Publications] 安本和正: "麻酔前リスクファクター" 稲田豊編克誠堂出版社,