1987 Fiscal Year Annual Research Report
Flow Cytometryによる膀胱腫瘍細胞の解析
Project/Area Number |
62570715
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
八竹 直 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60028579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 博 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90180835)
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Keywords | フローサイトメトリー / DNA / 膀胱腫瘍 |
Research Abstract |
表左性膀胱腫瘍(経尿道的切除により得た組織)と浸潤性膀胱腫瘍(未治療時の生検組織及び放射線照射後の膀胱全摘標本より得た組織)とに関し検討を行ったところ, 次のような問題点か生じた. 1.表右性膀胱腫瘍の場合比較的小さな腫瘍であることが多いため, 多数の切片を作製しなければ解析に必要な細胞数を得ることができなかった. そのため解析不能であることもあり, 特に小さなrandom biopsyの標本(肉眼的には正常と思われる部分の生検組織)の解析は困難であった. 2.解析した組織はすべて手術材料であるが摘出後ホルマリンに浸漬するまでの時間, ホルマリン固定時間等の組織処理条件がそれぞれ多少異なるためか, DNA histogramの中でpattern上は2C(正常なG0G1 peak)と考えられるpeakのchannelのずれが少なからず認められた. このため厳密な意味ではplaidyの判定やDNA indexの算出は不可能であると思われた. 3.normal controlをいかに設定するかと言うことは極めて重要な問題であるが, 前述の理由で, パラフィンに包埋された正常な尿路上皮をcontrolに用いても, そのG0G1 peakと異なるpeakがすべてaneuploidyであるとは言えないことがわかった. そこで新鮮な未固定材料からcontrolを得られないかと考えそのような材料から細胞を採取し, これをアルコール固定した後染色し同時解析してみたところ, ホルマリン固定の組織はアルコール固定の組織に比しpeakのchannelが極端に小さくなってしまうことがわかった. 以上の結果より, パラフィン包埋組織のDNA分析を定量的に行うことは, これまでの報告に見るようには簡単ではないと思われた. 今後histogramをいくつかのpattrxnに分けて分析する等, 新たな解析方法の検討が必要と考えている.
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