1988 Fiscal Year Annual Research Report
Flow Cytometryによる膀胱腫瘍細胞の解析
Project/Area Number |
62570715
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
八竹 直 旭川医科大学, 泌尿器科, 教授 (60028579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 博 旭川医科大学, 泌尿器科, 講師 (90180835)
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Keywords | 膀胱腫瘍 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
前年度の報告のように、表在性腫瘍の解析は、得られる細胞数の点から困難であったため、膀胱全摘術を行った症例に限定して、検討を行った。 膀胱全摘の手術材料より、移行上皮癌G1、G2、G3(G:腫瘍細胞のgrade)をそれぞれ4例、2例、7例検討した。前年度報告のように手術材料は、摘出後ホルマリンに浸漬するまでの時間、ホルマリン固定時間等の組織処理条件がそれぞれ異なるためか、厳密な意味でploidyの判定やDNAindexの算出は不可能であると思われた。そこで、得られたDNAhistogramから、最初のpeakと2番目のpeakとchannel numberの比(これらは即ち、DNA含量の比となると思われる)を求め、この値にgrade間で差異があるかどうかの検討を行った。 この結果G1の4病変では、求めた値が1.80、1.88、1.89、2.03となり、G2の2病変では、1.91、1.97、G3の7病変では1.47、1.58、1.70、1.91、1.92、1.97、2.05となった。平均値はG11.90、G21.94、G31.80であり、gradeに比例した変化としては認められなかった。しかし、この値の正常範囲を仮に1.80から2.20までと設定すると、G1、G2ではこれを逸脱するものがないのに比し、G3では7例中3例が正常範囲外であり、このような検討も有意義であることが示唆された。 放射線照射前後を比較検討できた3例においては、照射前後において明らかな変動は見られず、放射線照射がDNApatternに及ぼす影響をこのよう方式で検出するのは、困難であるとの印象を受けた。
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