1989 Fiscal Year Annual Research Report
男子不妊症に対する精巣内男性ホルモンペレット移植療法の基礎的、臨床的研究
Project/Area Number |
62570726
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 輝久 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (80093673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 敦 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10207962)
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Keywords | 不妊ラット / Ethane Dimethanesulphonate / hcG / Tmicrocrystal suspension / Testosterone propionate / 精細管内testosterone濃度 / 精細管内DHT濃度 |
Research Abstract |
精巣Leydig細胞を直接抑制するといわれているEthane Dimethanesulphonate(EDS)を、13週齢のSprague-Dawley系雄性ラットに腹腔内投与し、不妊モデルラットを作成、hcG、Testosterone propionate(TP)およびTestosterone microcrystal suspension(Tmcs)投与によるEDSの精巣障害に対する防止効果について検討し、以下の如き結果を得た。1.EDS投与1週間前よりhcGを投与すれば、微量(12.5IU)でも精細管障害を防止でき、一方、EDSと同時投与では高単位量(100IU)でないと精細管障害を回復することは困難であることが判明した。2.Tmcs投与群において、EDSと同時投与では精細管障害の回復は困難であるが、1週間前によりの投与ではEDSによる精細管障害を防止でき、その至適用量は3〜4mg/精巣であることが判明した。3.TP投与群に関してもTmcs群と同様、1週間前よりの投与(3〜6mg)でEDSによる精細管障害を防止できることが判明した。4.血中testosterone(T)、精細管内Tおよび精細管内5α-dihydrotestosterone(DHT)濃度の検討では、hcG投与群においてEDs群に比し有意の増加を認めた。またTmcs投与群では精細管内T濃度においてのみ有意の増加が認められた。一方、TP投与群では、血中T濃度は有意の増加が認められたが精細管内T、DHT濃度は著明な低下が認められた。以上より、精子形成に関しては、精細管内T濃度が重要な因子の1つであることが判明するとともに、精巣内Tmcs移植療法の有用性が示唆された。またTP群における結果より、T体外投与が、精巣内におけるLeydig細胞あるいはSertoli細胞を刺激し、androgen以外の精子形成調節因子を賦活化させることが示唆された。
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