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1988 Fiscal Year Annual Research Report

ホ乳類動物精子の運動開始機構の生理生化学的研究とその不妊症治療への応用

Research Project

Project/Area Number 62570733
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

石田 克美  帝京大学, 医学部, 講師 (90101691)

Keywords精子 / 運動開始 / サイクリックAMP / アデニル酸サイクラーゼ / カルシウムイオン
Research Abstract

ホ乳類の場合、精巣で形成された精子は精巣上体を通過する際に成熟するが、その運動は停止したままであって、生殖の場に射精されてから初めて運動を開始する。この精子運動開始のための精子内因子はサイクリックAMPであることは既に前年度までの研究の結果明らかになっているが、この物質を生成する酵素であるアデニル酸サイクラーゼの精子内分布を解明する必要がある。というのは、この酵素は精子の先体内膜部分にもあって、受精時その活性が増加するのではないかと考えられているからで、運動開始時に必要なサイクリックAMPの増加はこの先体内膜部のアデニル酸サイクラーゼの活性化によって生じるものではなくて、鞭毛部にあると考えられるアデニル酸サイクラーゼ活性の運動開始時に於ける活性化であることを証明する必要があるからである。この酵素活性の分布の証明は電子顕微鏡を用いた酵素組織化学的手法により行った。この結果、アデニル酸サイクラーゼは鞭毛部の細胞膜直下に見い出され、先体部には検出されなかった。この酵素の活性化をするものこそ運動開始のための精子外因子であると考え、H^+、K^+、Na^+、Ca^<++>の影響を調べたが、精子外のCa^<++>を完全に除去すると運動は開始されるものの運動能は低下してしまうこと、精子内外のCA^<++>を完全に除去すると運動は開始されないことを見出した。このことから、精子外にCa^<++>がなかった場合は精子内のCaストックからCa^<++>が放出されそれがアデニル酸サイクラーゼを活性化するのではないか、正常には精子外からCa^<++>が精子内へ流入してそれがアデニル酸サイクラーゼを活性化するのではないかと考えられる。この研究の過程で精子の運動能がガラスにより著るしく影響されて低下することを見出し、ガラスからの影響を全く受けず、かつ微量の精漿で精度の高い運動能解析法を開発することに成功した。今後はこの方法を有効に活用してさらなる研究を進めたいと考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 石田克美: Development,Growth and Differentiation. 29. 47-56 (1988)

  • [Publications] 奥野誠: Cell Motility.

  • [Publications] 石田克美: "Human Reproduction.Current status/Future prospect" Elsevier Science Publishers B.V., 868 (1988)

URL: 

Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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