1988 Fiscal Year Annual Research Report
薬物の男子性機能に及ぼす影響の客観的判定法に関する研究
Project/Area Number |
62570735
|
Research Institution | TOHO UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
白井 將文 東邦大学, 医学部, 教授 (50004841)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高波 真佐治 東邦大学, 医学部, 助手 (60163226)
三浦 一陽 東邦大学, 医学部, 講師 (00057697)
|
Keywords | 男子性機能 / インポテンス / 夜間勃起 / Nocturnal penile tumescence:NPT / エレクチオメーター / 性機能調査表 / 薬物の副作用 / 抗男性ホルモン |
Research Abstract |
薬物の男子性機能に及ぼす影響を客観的に知る目的で、あらかじめ男子性機能に影響を及ぼすことが判っている抗男性ホルモン(酢酸クロルマジノンかアリルエストレノール)を前立腺肥大症患者に投与して、その投与前後で性機能調査表に記入してもらい、性機能調査表が薬物の影響を正しく判定できるか検討した。調査項目は性欲、勃起、射精、オーガズムなどに関する15項目で、これら15項目それぞれの状態を等間隔表示(0〜10までの11段階)と対数表示(0、1、3、10の4段階)の2方法でSCORE化し、このSCOREの変化で薬物の影響を判定すると同時に、どちらの表示法がより有効か検討した。その結果、今回使用した性機能調査表は薬物の男子性機能に与える影響をよく判定できることが判った。特に対数表示の方が等間隔表示より性機能を判定する上で有利であることが判った。しかし質問紙による調査は客観性という点で問題があるので同時にエレクチオメーターで勃起の状態を記録することにした。ただエレクチオメーターでは夜間の陰茎周径の最大延長は記録できても、勃起の持続時間や頻度は不明である等の問題がある。そこでわれわれは前立腺肥大症で入院して手術前の期間に抗男性ホルモン剤を投与して勃起記録装置を使用してREM睡眠期にみられる勃起(NOCTURNAL PENILE TUMESCENCE:NPT)に及ぼす影響を観察した。その結果、症例数が少ないのと抗男性ホルモンの投与期間が短かったために一定の傾向がみられなかった。このため、われわれは患者に貸し出せるようなICメモリーカードを使用した超小型の勃起記録装置を開発し、薬物を一定期間以上投与した場合にNPTにどのような影響を及ぼすか検討中である。本装置は装着が極めて容易で、ICメモリーカードに記録されたデータの解析も容易であり、薬物のNPTに及ぼす影響が客観的に判定できると考えている。
|
Research Products
(1 results)