1988 Fiscal Year Annual Research Report
逆流性腎症による腎障害発生ならびに進展に関する研究
Project/Area Number |
62570737
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
生駒 文彦 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70068419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷澤 隆邦 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10126534)
和田 博義 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80018358)
島田 憲次 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70068576)
有馬 正明 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60028636)
森 義則 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (80131598)
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Keywords | 逆流性腎症 / 腎機能障害 / 膀胱尿管逆流 / 逆流防止術 |
Research Abstract |
逆流性腎症による腎障害ならびに進展を調べるため、今年度は小児VUR(原発性)834例の臨床検討を加えた。この内で主として腎機能障害を生じた症例に焦点を当て報告する。腎機能障害としては血清cr1.0myあるいはBUN20my以上とした。 1)頻度:腎機能障害を示した症例の性別は男子20例、女子8例で、原発性VUR総数からみると男子の4.8%、女子の1.9%、全体の34%であった。 2)臨床症状:尿路感染症が最も多く54%、その他では蛋白尿39%、発育障害14%など腎機能障害による徴候が多くみらえた。3)膀胱尿道逆流:VURは24例が両側性にみられた。一側性VUR4例ではすべて反対側腎が低形成・無形成であった。VURgredeでは86%の尿管に中〜高度の逆流がみられた。 4)腎のV線形態:総腎機能の低下を疑わせる所見には、両腎がともに、small kidneyの場合、一例がsmall kidneyで反対側にsoarが存在する場合、あるいは両腎に強いsoarを有する場合であった。 5)腎機能の推移:すでに8〜10歳で末期腎不全に陥る症例、14〜15歳をすぎてから急激に腎機能が低下する症例、そして血清cr1.0mg,ccr50ml/m前後で保たれる症例の三グループに分けられた。 6)逆流防止術による効果:逆流防止術後に腎機能の改善がみらえたのは3例のみで、これらの症例でも術後半年から1年後には再び腎機能障害が進行していた。統計学的分析でも腎機能障害の進行に対する外科的治療の効果はほとんど認められなかった。
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Research Products
(2 results)