1988 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒膜細胞ステロイド産生能の調節因子に関する研究。
Project/Area Number |
62570746
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Research Institution | FUKUI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
麻生 武志 福井医科大学, 医学部, 助教授 (60093176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根上 晃 福井医科大学, 医学部, 助手 (50201695)
紙谷 尚之 福井医科大学, 医学部, 講師 (30161219)
富永 敏朗 福井医科大学, 医学部, 教授 (10026908)
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Keywords | 卵巣 / 顆粒膜細胞 / 細胞培養 / ステロイド生能 / FSH / エストラゴオール / テストステロン / アロマターゼ |
Research Abstract |
卵巣顆粒膜細胞のステロイド産生能を調節する因子に関する研究を前年度に引続いて行い以下の研究実績が得られた。 1.実績材料として前年度はヒト顆粒膜細胞を用いたが、均一でより多量の細胞を必要とするための本年度はブタ顆粒膜細胞をも使用しることとし、その培養法を検討した結果ヒト細胞と同じ条件で実験に用いることが可能であることが明らかとなり、以下の研究の材料とした。 2.培養ブタ顆粒膜細胞のtestosterone→estradiol転換能に対しFSHは0.1IU/ml6時間培養で有意の促進作用を示し、またLHは0.01IU/ml、6時間培養でprogesterone産生の明らかな上昇をもたらした。 3.FSH0.1IU/mlによるtestosterone→estradiol転換能の培養時間に伴う、経時的変化を検討したところ、培養1時間で効果が認められた。 4.以上の実験で得られた成績に基づいてFSHの間歇的刺激の影響をみる目的で、FSH5mIU/ml+testosterone5×10^<-7>mlを持続的に作用させながら、これにFSH100mIU/mlを1時間にわたり反応させる刺激を3時間の間歇で加えたところestradial産生に明らかな影響はみられなかった。 5.FSH100mIU/mlを含む培養液で48時間前培養し、その後同量のFSHの存在下にtestosteroneを1時間にわたり3時間の間歇で作用させると、testosterone添加時に一致してestradialの有意の産生が認められた。以上の結果より顆粒膜細胞aromataseが、十分に活性化している場合にはtestosterulからestradiolへの転換は速やかに起こると考えられる。 6.各種刺激、抑制物質の顆粒膜細胞の機能に対する影響を追究するにはall pecfusion法、さらに莢膜細胞とのparacrine機構をも考慮した両面培養CO-Cultuoe法の開発が必要であるが、Cyfadex beadsとの細胞の接着を増殖、Collagen膜両面細胞での両細胞の培養に関する基礎的検討を行い、これら培養法の可能性を明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kishimoto,Y.;Tominaga,T.;Aso,T.;Kinoshita,M.;Mori,T.: Acta Obstetrica et Gynaecologica Japonica. 39. 463-470 (1987)
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[Publications] 富永敏朗,麻生武志,小辻文和,紙谷尚之,立山一郎,春日健孝,根上晃: 産婦人科の実際. 36. 615-622 (1987)
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[Publications] 富永敏朗,麻生武志,小辻文和,紙谷尚之,立山一郎,春日健孝,根上晃: 日本産婦人科学会雑誌. 39. 2075-2080 (1987)
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[Publications] 麻生武志,根上晃,稲木弘美,富永敏朗: ホルモンと臨床. 36. 527-531 (1988)
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[Publications] 根上晃,富永敏朗: 日本受精着床学会雑誌. 6. 167-169 (1989)
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[Publications] 根上晃,富永敏朗,麻生武志: 日本受精着床学会雑誌. 6. 170-172 (1989)
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[Publications] Aso,T.;Negami,A.;Kamitani,N.;Tominaga,T.: "Prolactin Gene Family and Its Receptors:The influence of Prolactin on the biological activities of Cultured・human endormetcial stromal cells." Elsevier Science Publishers, 425-432 (1988)
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[Publications] Aso,T.;Negami,A.;Kamitani,N.;Tominaga,T.: "Reproduction,Curreu T Statuo/Future Prospect:A study on the intracellular mechanism for induction of FSH-mediatel aromatase activity.Possible Involvement of CAMP and Ca" Elsevier Science Publishers, 339 (1988)