1988 Fiscal Year Annual Research Report
人胎児発育の臓器別特異性の基礎的診断から胎外適応能・成熟促進治療法の開発
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62570769
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
島本 郁子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90075094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯岡 秀晃 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10183154)
斎藤 滋 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30175351)
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Keywords | 胎児発育 / 小腸吸収能 / 腎再吸収 / 胎盤移送 / HbFスィッチング / 胎児免疫能 |
Research Abstract |
IUGR児が母体合併症、胎盤機能不全、PROM等により、胎児環境の悪化が生じた場合、児を胎外生活へ導くことが周産期管理に要求され、早産IUGRの大半はこのようにして生じる。一方、児のINTACT-SURVIVALは、その個体の胎外適応能を前提とするが、早産IUGR児の胎外適応能が早産AFD児に比しどの程度劣るかを(1)HbFからHbAへのSWITCHINGについて、(2)免疫能は非特異的免疫、特異的免疫について以下に検討した。 1)胎児HbFのswitching 28週早産児HbFの合成率は91%であり正期産児65%より当然高いが、IUGR児は73%で明らかに正期産AFDよりswitchingの遅延が認められた。一方、IUGR児の生後2.3DPG量は、生後明らかに低値を示して推移するものが多く、適応の遅延が認められた。 2)免疫能と易感染性 妊娠週数にしたがい胎児・新生児の免疫系の発達およびIUGRについてまとめた。 非特異的免疫系の応答は比較的早期に完成する。一方、特異的免疫系では、T細胞のMHC認識能など免疫系の根底をなす機能は非常に早期に認められるが、より高度なT細胞、B細胞の協調を必要とする抗体産生機能は明らかに低下している。これら免疫系のturning pointは32週と推察される。IUGR児の免疫能は、LAK活性以外の非特異的、特異的免疫系のすべてが32週早産児レベルの未熟性を示した。またリンホカイン産生能(IL-1、ILー2、IFN-γ、BCDFγ、BCDFμ、IL-6)からみると、IUGR児は早産児より、なを未熟性が認められ、抗体産生能の低下はIUGRの管理面で感染に充分な配慮が必要であることを認めた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Moriyama,Ikuko;et al.: Asia-Oceania J.Obstet.Gynaecol. 15. 17-22 (1989)
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[Publications] Saito,Shigeru;Moriyama,Ikuko;et al.: J.of Reproductive Immunology. 14. 247-255 (1988)
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[Publications] 森山郁子: 周産期学 Symposium. 7. (1989)
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[Publications] 森山郁子: 産婦進歩誌. 41. 91-99 (1989)
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[Publications] 南渕芳,森山郁子 他: 産婦進歩誌. 41. 173-178 (1989)
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[Publications] 森山郁子: 産婦人科治療. 57. 62-67 (1988)
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[Publications] MORIYAMA,IKUKO: "Perinatology.Wiknjosastro,Prakoso and Maeda,editors "FETLA GROWTH AND THE PLACENTA"" Elsevier Science Publishers B.V.(Biomedical Divison), 45-54 (1988)
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[Publications] 森山郁子: "胎児管理の実際" 同朋舎, 200-212 (1988)