1988 Fiscal Year Annual Research Report
情報処理化による視覚系・前庭系、深部知覚系の統合機序に関する基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
62570776
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
水越 鉄理 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20018360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 直樹 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (40126511)
渡辺 行雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (10108037)
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Keywords | 視覚系 / 前庭迷路系 / 深部知覚系の加重 / 振子様回転刺激 / 電動式頸部捻転刺激 / 眼振 / 眼運動の情報処理 / 内リンパ水腫推定検査。 |
Research Abstract |
本研究の目的は、情報処理により負荷された視覚系、前庭系の加算刺激に対する眼運動、眼振、重心動揺を定性的、定量的に分析するとともに、深部知覚系の加重による統合制御機構をコンピュータで分析する検査システムを確立することである。 私共は従来、視運動性ドラム内で、閉眼、開眼下に振子様回転刺激を与え、視覚系、前庭迷路系の相互関係を追求する視運動性前庭動眼反射検査(visual-VOR)を臨床例に応用し、一検査システムとして情報処理化してきた。 今回の研究ではこのV-VOR検査を振子様視運動刺激(pendular optokinetic nystagmus.P-OKN)とVORを加算して一連の検査システムとして確立し、オンライン、実時間処理を可能にした。正常人より算定したPOKN.VOR、V-VORの利得正常値を設定し、P-OKN VOR V-VOR-Dp%も設定した。さらに、この検査システムを臨床例に応用し、末梢、中枢神経系疾患、とくに、小脳、脳幹障害の鑑別に役立てた。 さらに、視覚系、前庭系に頸部の深部知覚系の加算、積分機構を追求するために、振子様視運動回転刺激装置の椅子上で頸部捻転負荷が与えられる電動式の頸部捻転刺激装置を試作した。この装置により正常人に視覚、前庭系のみでなく頸部捻転刺激を左右5゜〜10゜〜15゜の振幅で、0、1-0、3-0、5-、HZ周期で与え、得られた眼運動の動特性を利得で情報処理的に計量した。正常人の頸部捻転で得られた動特性の利得より正常限界をもとめ、一側性の末梢前庭障害例と比較し、深部知覚系と迷路前庭との相互作用を情報処理化により計量し、有意の左右を示す症例が得られた。 また、従来のVOP利得の左右差をヘロセミドVOR検査で求め、内リンパ水腫推定検査に応用する方法も開発し、実用化した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mizukoshi,K.;Kobayashi H.;Ohashi,N.;Watanabe,Y.: Adv.Oto-Rhiro-Laryngology(Basel). 41. 63-70 (1988)
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[Publications] Watanabe,Y.;Mizukoshi,K.;Ohi,M.;Yasuda,K.;Ohashi,N.;Kobayashi,H.: Acta Otolaryngol(stockh)suppl. (1989)
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[Publications] Mizukoshi,K.;Shojaku,H.;Ito,M.;Watanabe,Y.;Ohashi,N.;Kobayashi,H.: Acta Otolaryngol(stockh)suppl. (1989)
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[Publications] 水越鉄理: "めまい、平衡障害の診断と治療-情報処理シスラスを中心に-" 現代医療社, 1-394 (1988)