1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570777
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Research Institution | Okayama university |
Principal Investigator |
末広 倫雄 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10171109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 友昭 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60171146)
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Keywords | ホログラフィ干渉法 / 鼓膜振動解析 / 耳小骨連鎖離断・固着 |
Research Abstract |
1.正常な状態での犬鼓膜の振動様式をHe-Neレーザーを用いたホログラフィ千渉法の時間平均法で干渉縞を撮影した。鼓膜の振動様式については、250Hzから2KHzまでの周波数では振動は単純で振幅のピークが一個の同心円状を呈するが、3KHzを境として変化が起こり始める。すなわち3KHzでは、鼓膜の後方部の振幅のピークが複数化し分割しており、4K、5K、6K、8KHzでも同様の多分割化している。鼓膜前方部についても同様の傾向が認められたが分割化は後方部よりもやや高い周波数から始まる。音圧が増大すると振動は促進され振動振幅の増大を意味する干渉縞の数の増加が見られるが、振動様式は変化しない。鼓膜振幅については、振幅のピークは槌骨柄のおよそ2分の1の高さで前・後の2部に分かれ、槌骨柄前方部は後方部よりも小さい。2kHzまでは前方と後方と槌骨柄先端部との振幅比は略一定である。すなわち槌骨柄前方部の振幅は槌骨柄先端部と略等しく、槌骨柄後方部は、槌骨柄先端部の3乃至4倍である。3KHz以上の周波数域では上記の比率が変化し前方部も槌骨柄より振幅は大となる。共鳴周波数は2KHzで振幅値は最大となる。 2.耳小骨連鎖異常の振動解析について、犬側頭骨を用い砧骨と鐙骨間の連鎖の離断および固着を行った。 3.砧骨と鐙骨間の連鎖の離断:低周波数では振動様式の変化はみられないが、高周波数以上では変化する。また鼓膜の振動振幅については低周波数では増加、高周波数以上では減少が認められた。 4.砧骨と鐙骨間の連鎖の固着:低周波数では振動様式の変化はみられないが、高周波数以上では変化する。鼓膜の振動振幅については低周波数では増加、高周波数以上では減少する。
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