1988 Fiscal Year Annual Research Report
反回神経麻痺における神経・筋接合部の形態的生理的研究
Project/Area Number |
62570781
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
進 武幹 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (70080869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 繁 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50175147)
森川 郁郎 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60140696)
前山 忠嗣 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (20145189)
渡辺 宏 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50109394)
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Keywords | 反回神経 / 再生 |
Research Abstract |
反回神経損傷後の再生過程における内喉頭筋の筋電図的変化、声帯運動の回復過程およびHRP標識法を用いて後筋を再支配する再生運動ニューロンの再配列を経時的に観察した。実験的損傷には切断縫合および凍結損傷を用いた。切断縫合は臨床的によくみられる損傷回復方法で、凍結損傷は再生神経を誘導するシュワン細胞の基底膜を保存し、細胞成分のみを除去する最も的した再生実験方法である。2〜4Kgのネコをケタラールで麻酔し、左の反回神経を輪状軟骨の下縁から15mmのところで切断縫合したり-80℃のドライアイスに処理した特殊ピンセットの凍結損傷を加えた。その後、2週間〜9ヵ月まで経時的に声帯運動、筋電図およびHRP反応細胞の分布を調べた。まづ、切断縫合群では左の声帯は全例で麻酔を示し、大部分がパラメディアンに固定していた。筋電図所見は2ヵ月まではサイレントだったが、その後は9ヵ月まで全が異常なパターンを示し、正常にはもどらなかった。HRP標識細胞は2ヵ月からではじめ徐々に増加して9ヵ月後には正常レベルまで達した。しかし、9ヵ月後の後筋を再支配した運動ニューロン分布をみるとその領域が正常後筋運動ニューロン領域の外にも拡がっているのがみられた。次に、凍結損傷群をみると声帯運動は1ヵ月から回復がみられ4ヵ月からは正常な動きを示していた。しかし一部ではパラメディアンに固定した例をみられた。筋電図所見も1ヵ月から異常なパターンでありながらも回復がみられ6ヵ月からは正常を示していた。後筋運動ニューロンの標識細胞も1ヵ月からみえはじめ3ヵ月までは正常レベルに達したが、やはりかなり回復が遅い例もみられた。
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[Publications] Takemoto Shin.: Auris Nasus larynx. (1989)
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[Publications] 進武幹: 耳鼻と臨床. (1989)
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[Publications] Takemoto Shin.: American Journal of Otolaryngology.
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[Publications] 進武幹: 日本気管食道科学会誌. (1989)