1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570798
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
荻野 誠周 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (50115812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根木 昭 京都大学, 医学部, 講師 (00189359)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 遊走能 / メラトニン / 細胞骨格 |
Research Abstract |
仔牛血清添加Minimum csscntial mediumを用いてニワトリ7日胚から分離した網膜色素上皮細胞の大量培養に成功し, 培養細胞は継代10代目まで生存可能であった. ヒト網膜色素上皮細胞は仔牛血清添加HamF-10培養液で培養に成功した. 得られた培養細胞シボイデンチャンバーに注入して位相差顕微鏡下で遊走細胞数を数えた. フォルミル化メチオニルロイシンフェニルアラニンでは100mM以下で, フォルボールミリステートアセテートでは100mM以下でヒトフィブロネクチンでは100μg/ml以下で, 血小板由来細胞成長因子では80ng/ml以下で, 神経成長因子では1μg/ml以下で, 上皮細胞成長因子では1μg/ml以下で, メラトニンでは1mM以下で, 経時的に濃度依存性に細胞遊走効果が認められた. タウリン, サイクリックAMP, サイクリックGMP, 繊維芽細胞成長因子ではいずれの濃度でも効果がなかった. チェッカーボード解析を行なうと, フォルボールミリステートアセテートは, 化学運動性として, 他の有効物質は化学走性として, 細胞遊走作用を示した. 細胞遊走効果を示した物質が網膜色素上皮細胞内の細胞骨格にどのように作用するのかを検討するため, カバーグラス上に網膜色素上皮細胞を培養して, シート状になるまえの細胞(培養2週目まで)を用意した. 細胞内のアクチンはローダミンーファロイジンを用いて染色して蛍光顕微鏡下で観察した. アクチンは, 遊走効果を持つ物質すべてにおいて, 遊走至適濃度に一致して, 経時にアクチン繊維が断裂して作用後4時間たつと細胞が紡錐状を呈して繊維芽細胞様になった.
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[Publications] Hiroyasu Shinakawa &Nobuchika Ogino: Ophthalmic Research. 19. 226-229 (1987)
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[Publications] 白川弘泰,森秀夫,荻野誠周: 日本眼科紀要. 39. 26-30 (1988)