Research Abstract |
Bacteroides oralis Ig4aの染色体DNAをHindIIIで切断し, pUC8をベクター, EsuierichiacoliK-12, JM105を宿主とし, クローン・バンクを作製した. クローン・バンクから, 0.5%blue dextranを含む2YT培地でデキストラン分解能を発現するクローンを選択し, 約3,700のクローンのなかから1つのデキストラン分解能を有するクローンを得た. このクローンは, HindIIIにより, 2.7kbと4.2kbに切断されるプラスミドをもっており, これをプローブとして, サザン・ハイブリダイゼーションを行った. その結果, 4.2kbDNAがB.oralis Ia4aに由来しており, 本プラスミドをpGL1と命名し, 制限酵素地図を作製した. この4.2kbDNA断片中には, EcoRIおよびBglII切断部位がおのおの1ケ所, PstI部位が, 3ケ所存在した. このクローンから産生されるデキストラナーゼは, 分子量44KDの蛋白質として認められ, 大部分の酵素活性はペリプラズム分画に検出された. 更にPGL1をPstIで部分消化し, 再結合した組変えプラスミドpGL11, pGL12およびpGL13をサブクローニングした結果, 2.2kbのHindIII-PstI断片がデキストラナーゼ分解活性の発現に必要であることがわかった. このペリプラズム画分のデキストラナーゼを分離・精製し, 作用機序を調べたところ, エンド型の分解を示し, Boralis Ig4aのデキストラナーゼと同じものであった. 更にこの断片は, IPTGの添加によりデキストラナーゼ活性が誘導されること, 正逆両方向に断片を挿入した時, 正方向でのみ活性が発現することから, 独自のプロモーターが欠けていることが示唆された. 今後, この遺伝子の塩基配列を知るとともに, 高収量に目的生産物を産生するより強力な発現系について検討する予定である.
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