1988 Fiscal Year Annual Research Report
Bacteroides oralis Ig4aのグルカナーゼ遺伝子の解析
Project/Area Number |
62570829
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Research Institution | Faculty of Dentistry, Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 信義 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90014258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
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Keywords | Bacteroides oralis / デキストラナーゼ / クローニング |
Research Abstract |
昨年度までに,Bacteroides oralis Ig4aからα1,6グルカナーゼ(テキストラナーゼ)遺伝子を4.2kbのHindIIIDNA断片として大腸菌のプラスミドpUC8にクローニングし(pGL1),大腸菌で発現させることに成功した。さらにクローン化されたDNA断片は,この遺伝子の発現にとって必要な自らのプロモーターを欠くこと等の結果を得た。 本年度においては,クローン化されたDNA断片の詳細な解析をすすめ以下の結果を得た。【○!1】pGL1を保持する大腸菌のデキストラナーゼ活性は主として細胞質に存在した。【○!2】pGL1に種々の欠失挿入変異を導入し解析したところ,左端から0.9-2.2kbの間の領域は活性発現にとって必須の領域で,左端から3kbから右端までの領域は活性発現に必要なかった。【○!3】そこで左端から3kbまでの領域の塩基配列をSanger法を用いて決定した。その結果,左端から2208塩基に始まる終止コドンまでOpen Reading Frame(ORF)がつながっており,このORFに典型的なシグナル配列は見い出せなかった。なお,このORFから合成されるタンパク質の分子量は82キロダルトン(k.d)と推定された。また,B.oralis Ig4aの4.4kdのデキストラナーゼ蛋白質のC末端のアミノ酸配列はLeu-Leu-MetでORFでC末端と一致した。【○!4】B.oralis Ig4aで産生されるデキストラナーゼの最も大きな分子サイズを推定したところ105kdであった。以上の結果から,今回クローニングされたデキストラナーゼ遺伝子は3側の一部であり,B.oralis Ig4aではまず105kd蛋白質として合成され,44kd蛋白質にプロセスされる可能性が示唆された。
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