1987 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用金銀パラジウム合金の開発ならびに腐食速度の腐食機構の解明
Project/Area Number |
62570861
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
松田 浩一 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (20109458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 裕司 東日本学園大学, 歯学部, 助教授 (30139604)
大野 弘機 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (70018430)
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Keywords | Ag-Pd-Cu合金 / Ag-Pcl-Au合金 / 腐食挙動 |
Research Abstract |
歯科用金銀パラジウム合金の開発ならびに腐食速度と腐食機構を解明するために, 本年度は以下の実験を行った. Ag:Pdが原子比で3:1の母合金にCuを0〜30%又はAuを0〜30%添加した試料を作製した. それらの合金の試料を0.9%NaCl溶液中にて電気化学的測定装置ポテンショスタットを使用して(A) 非定常法による電位-電流曲線から腐食挙動を調べた. (B) 定常法による各電位に係留した試料の被膜を反射電子回析と光電子分光法(XPS)にて分析した. そして以下の結果を得た. (1)A)Ag-Pd-Au合金においては, Auが増すことにより, アノード電流密度, カソード電流密度は減少した. 又10mass%を越えると著しく減少する. B) 上記の合金をXPSによって分析した結果, 被膜中のPdは+200mVまでは金属状態, +300mVでは2価, +400mVでは2価と4価値に酸化されていた. 反射電子回析では, +100mVまでは, 地金のAg-Pd-Au合金が認められただけであるが, +200mVではAgの酸化物ないしは塩化物と推定されるものが認められ, +300mV以上ではAgClが被膜中で支配的となった. (2)A)Ag-Pd-Cu合金においては, Cuが増すことにより, アノード電流密度, カソード電流密度は増加した. B) 上記の合金のXPSによる分析の結果, 被膜中のPdは+200mVまでは金属状態, +300mVでは2価, +400mV以上では2価に酸化されていた. 又Cuは+100mVまでは金属状態もしくは1価, +200mVから+300mVまでは1価と2価の混在, +400mV以上では2価に酸化されていた. 反射電子回析では, +200mVではAgとCuの酸化物ないしは塩化物が認められ, +300mV以上ではAgClが支配的である.
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