1988 Fiscal Year Annual Research Report
光重合型臼歯用コンポジットレジンの機械的特性に関する総合的評価
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62570866
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
岩本 次男 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 正 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30104342)
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Keywords | 光重合型臼歯用コンポジットレジン / 破壊靭性 / 摩耗 |
Research Abstract |
各種光重合型臼歯用コンポジットレジンについて、圧痕法による破壊靭性値の測定および繰り返し荷重による疲労試験により、各材料の破壊に対する抵抗性ならびに疲労特性について検討し、下記のような結果を得た。試片は内径4.7mm、高さ6mmのプラスチック製モルドを用い、上下面および両側面に対し60秒間、計4分間照射を行い重合させた。一方、化学重合型コンポジットレジンはメーカー指示により練和後シリンジを用い充填、ガラス板を介して1kg荷重下てぜ5分間圧縮保持した。ついで、試片を37℃蒸留水中に1日、1〜4週保管、また、4℃および60℃の水槽に1分間ずつ浸漬を繰り返し、500〜1500回のサーマルストレスを与え、これら2群について破壊靭製値およびビッカース硬さを測定した。疲労試験では、3×3×25mmの試片を作製し、その試片中央部に幅0.3mm、深さ1.45mmのmotchを切り込み測定に用いた。その結果、水中浸漬の時間が延長されるに従い、kc値は低下する傾向がみられ、1日浸漬結果に比べ4週浸漬のそれは有意に低い値を示した、しかしながら、重合方式による両者間の相違は認められなかった。サーマルストレスがKc値におよぼす影響については、その回数の増加とともに低下する傾向が認められ、水中浸漬のみによる場合と比較して、やや顕著であった。ビーッカース硬さは、水中浸漬期間、サーマルサイクルの回数による影響はほとんど示さず、ほぼ一定の値を維持していた。疲労強さについては、水中浸漬期間が1週間に及ぶと疲労強さは急激に低下し、さらに、浸漬期間の延長により強さは有意の差をもって著しく低下した。重合形式の相違による低下傾向は光重合型コンポジットレジンにわずかに強く示された。またサーマルサイクルの回数の増加に伴い低下を示したが、その傾向は水中浸漬の場合より著明であった。破断に至った試片のSRM観察を行ったところ、重合形式による差の変化はほとんど認められなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 熊田さえみ: 神奈川歯学. 22. 715-723 (1988)
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[Publications] 熊田さえみ: 日本歯科保存学会雑誌. 31. 745-759 (1988)
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[Publications] K.HANAOKA.: Progress in Acoustic Emlssion IV. 193-200 (1988)