1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570906
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
泉 廣次 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (00050005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 副手 (10152448)
湊 耕一 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10174088)
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Keywords | ヒト歯肉線維芽細胞 / ヒト歯肉上皮癌細胞 / Bacteroi des endodontalis / プロスタグランジンE_2 / Plasmin / Elastase |
Research Abstract |
近年、歯根嚢胞内溶液中から種々の嫌気性菌が分離され、歯根嚢胞の骨吸収に重要な役割を果していることが判明している。本研究では、これら嫌気性菌が産生するプロテアーゼ活性を測定するとともに、歯根嚢胞の原因菌として示唆されてB.endodontalisがヒト歯肉線維芽細胞(F.B.)およびヒト歯肉上皮癌細胞(Ca)に及ぼす影響を検索した。(1)種々の嫌気性菌の細胞内、細胞外酵素を合成基質を用いて測定を行ったところ、B.endodontalisではGly-Pro peptidase、kallikrein活性が、B.gingivalisではGly-Pro peptidase、kallikrein、Trypsin活性が、B.intermediusでは、Cathepsin H.Gly-Pro peptidase活性がB.oralisではkallikrein活性が高かった。(2)F.B.およびCaを〔^<14>C〕アラキドン酸で標識し、releaseされたアラキドン酸代謝産物の同定と定量を行った。B.endodontalisで刺激したF.B.では著明なPGE_2の遊離が認められたが、無刺激のF.B.およびE.coliで刺激したF.B.ではPGE_2の遊離は認められなかった。B.endodontalisを作用させてF.B.のPGE_2産生の経時的変化を測定したところ、6.5時間でピークを示した。作用させる菌体数の影響を調べたところ、菌体数に対応してF.B.のPGE_2産生量も増加した。また、Caでは、B.endodontalis刺激のもの、無刺激のものともPGE_2産生は極めて低かった。(3)B.endodontalisでF.B.およびCaを刺激した細胞培養上清を用いて各種プロテアーゼ活性を測定した。菌体刺激により、F.B.ではPlasmin活性が、CaではElastase活性が上昇した。〈考察〉B.endodontalisで刺激するとF.B.は骨吸収因子であるPGE_2やフィブリン分解酵素であるPlasmin産生が増加し、また、B.endodontalis自身も種々のプロテアーゼを産出することから、B.endodontalisは歯根嚢胞の骨吸収に深く関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小倉直美、湊耕一、泉廣次: 日大口腔科学.
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[Publications] 小倉直美、湊耕一、泉廣次: 日大口腔科学.
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[Publications] 小倉直美、湊耕一、泉廣次: 日大口腔科学.