1987 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギーで表示する新しい咀嚼能力測定法に関する研究
Project/Area Number |
62570917
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 昭彦 九州大学, 歯学部附属病院, 講師 (00037524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一ノ瀬 元史 九州大学, 歯学部, 助手 (30150460)
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Keywords | 咀嚼 / 口腔機能 / 咀嚼能力 / 測定法の開発 |
Research Abstract |
咀嚼能力を客観的に評価するためには, 信頼性の高い検定試料の開発が必要である. 興和株式会社研究室の協力を得て, 食用色素(エリスロシン)と結晶セルローズを混和造粒し, それをハイドロオキシメチルセルロースフタレートを主体とするコーティング材で被覆した微小顆粒(1.00mm〜1.09mmφ)を製造した. これらの微小顆粒が, 外力に対して一定の被破壊性を示すことを確かめ, 顆粒破壊に要するエネルギーと漏出する色素量との関係を, 実験室内で求めた. 一方, 三興化学工業株式会社に依頼して, 直径10mm, 長さ20mmの円柱状のゴムカプセルを製造し, この中に上記顆粒を730mg(約730〜740個)を封入し, これを咀嚼能力検定用カプセルとした. このカプセルを被検者に15回噛ませて, 破壊された顆粒から漏出する色素量を評価しエネルギーで表示するのが本法の理論である. 色素溶液濃度測定のための比色計には, エルマ株式会社の光電比色計AE-4型を用いた. これに, 溶液濃度(吸光度)-破壊エネルギーの関係方程式に基く演算回路を組み込んだ「咀嚼能力計」を新しく開発, 製造した. これを用いて, 色素量(破壊顆粒溶液)より破壊エネルギーすなわち咀嚼能力を直接表示できるようにした. 本法を使用した咀嚼能力測定の誤差を調べるため, Charpy型破壊試験器を用いて, 検定カプセルを一定エネルギーで「咀嚼」させたところ, 測定法自体の誤差は2%程度と推定された. しかし, 一般に人を対称に測定値のばらつきを調べると, 個人内変動は5〜13%と大きいことも分った. すなわち能力測定時に被検者は, 毎回同じようには咀嚼しておらず, これらのばらつきを小さくするためには, 反復測定が必要と考えられた. これらの結果について現在, 論文発表の準備中である.
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Research Products
(1 results)