1987 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面頭蓋の成長発育における鼻上顎複合体の係わりに関する形態的研究
Project/Area Number |
62570922
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石川 富士郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20048250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金野 吉晃 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10169972)
八木 實 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (40112601)
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Keywords | 顎顔面頭蓋 / 成長発育 / 鼻上顎複合体 / 外科的侵襲 / 鼻中隔軟骨 |
Research Abstract |
研究の目的:顎顔面頭蓋を構成する多くの骨は骨膜性化骨の機転な持ち, 相互に隣接する部位での調和を保ちながら成長してゆく. 一方, 頭蓋底の軟骨結合部, 鼻中隔軟骨, 下顎頭ではここに見られる軟骨組織が周囲の骨と異った化骨の機転を示すと言われており, これらの軟骨部とその他の顎顔面骨との相互の関係について明らかにし, 歯科臨床上の成長誘導に一考察を加えることを本研究は目的としている. 本年度の成果:1.治療の過程で得た正, 側貌位頭部X線規格写真を男女それぞれ成長の各段階に分けて計測し分析を行っているが, 基礎集計および多変量解析は, 成長発育の累年的変化および治療による変化も含めて次年度に行う予定である. 2.鼻中隔部においては, 鼻中彎曲の発現は低い年齢ではほとんど見られず, 思春期以降に増加する傾向が見られ, 顎顔面形態は成長発育の完成されたと思われる年代での比較がよりその特徴を把握することができると考えた. その中で, 鼻中隔の形態異常である彎曲の程度と顎顔面形態との間には, 相対的ではあるが特に上顎骨の成長との関連が認められた. 3.動物実験(幼犬)では, 上顎の成長発育を抑制することにより頭蓋や頬骨間の幅径に侵襲を受けた当初, 成長抑制の影響が及んでいる事が一部確認された. 次年度以降はラット口蓋骨, 上顎骨, および鼻中隔軟骨に対する外科的侵襲の成長に対する影響を, 鼻上顎複合体の形態変化の面でさらに検討する予定である.
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