ソルダード・リンガル・アーチによる上顎骨の成長促進効果について

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62570925
• Research Institution: Aichi Gakuin University
• Principal Investigator: 鈴木 信夫 愛知学院大学, 歯学部・矯正学教室, 講師 (10064825)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 根来 武史 愛知学院大学, 歯学部・矯正学教室, 助手 ; 谷田 耕造 愛知学院大学, 歯学部・矯正学教室, 助手
• Keywords: 長期治療 / 上顎骨劣成長 / Soldered Lingual Arch Appliance / 下顎前突症 / N-Sプライヤー / 上顎骨発育促進

Research Abstract

歯科矯正治療において長期治療を必要とする不正咬合に, 骨格性下顎前突があげられる. そのうち, 上顎骨劣成長あるいは後退を伴う下顎前突があり, この種の不正咬合者の当科における来院頻度は少なくないのが現状である. この治療に対して我々は, 上顎骨の前方, および側方への成長促進を目的として, 上顎歯列弓に装着するSoldered Lingual Arch Appliance (S.L.A.)を昭和52年に考案し, 以後, 下顎前突症の治療に応用し, 良好な効果を得ている. 一方, 上顎骨の成長・発育は他の骨格に比べ, 早期にその大きさの増大を終了する傾向にあり, 又, 個人差がみられるため具体的な装置適応時期, 期間を確定することは大変困難と思われる. そこで本研究の目的は, 上顎骨に対するSoldered Lingual Arch Appilanceの前方, および側方への成長促進効果が, どの様な時期に, どの様な経過をもっと得られるのかを適確に判定することである. 本年度において, 上顎骨の劣成長あるいは後退を伴う下顎前突症の矯正治療にSoldered Lingual Arch Applianceを用いた数多くの治験例を 1987年第19回近畿東海矯正歯科学会総会, ならびに第16回日本歯科医学会総会に各々呈示し, その上顎骨発育促進だけでなく, 大臼歯の整直や捻転歯の改善など種々の治療に施され, その応用範囲が広いことも実証されている. 又, この上顎骨発育促進をより効果的に得るために本装置に組み込まれたU・ループを調整しやすいN-Sプライヤーの改良を検討, 現在開発中である.

Research Products

• [Publications] 鈴木 信夫: 日本矯正歯科学会雑誌. 37. 104-105 (1978)
• [Publications] 鈴木 信夫,堀田康記,柳沢誠太郎: 日本矯正歯科学会雑誌. 37. 120 (1978)
• [Publications] 鈴木 信夫,堀田康記,柳沢誠太郎: 日本矯正歯科学会雑誌. 37. 120-121 (1978)
• [Publications] Nobuo Suzuki: Amerionn Association ot Orthodontists 81st Annual session.22 (1981)
• [Publications] 鈴木 信夫: 近畿東海矯正歯科学会雑誌. 17. 26-38 (1982)
• [Publications] 後藤滋巳,近藤高正,谷田耕造,不破祐司,森川泰,村田悟: 近畿東海矯正歯科学会雑誌. 22. 194-196 (1987)
• [Publications] 鈴木 信夫: "歯科診療Question & swers" 六法出版, 3 (1983)
• [Publications] 鈴木信夫: "月刊歯界展望 Vol71.No3" 1 (1988)