1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570927
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90157313)
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Keywords | ヌクレオシド / 分枝糖ヌクレオシド / 立体選択性 / グリニア反応 / メチルオキザリルエステル / ラジカル還元反応 |
Research Abstract |
ヌクレオシド糖部水酸基を種々のヘテロ原子に置換すると, それらの利用酵素がまちがえて利用したり, 酵素の阻害剤になりうることが知られている. 本研究の目的は, ヌクレオシド糖部に直接炭素置換基を立体選択的に導入する方法論の開発にある. 原料となる2′-ケト体(1)は, 天然のウリジンより出発し5工程で得た. まず1に対してMeLiを反応させたところ, 立体障害の小さなリボース環の下側即ちα面から試薬が付加した〓が選択的に得られた. Me3Alの場合も同様の結果であった. 次に, 反応剤をMeMgBrに変えエーテル中での反応を行ったところ, α-Me体:β-Me体の比が1:0.75となり, はじめてβ-Me体が得られた. しかし, このβ-選択性を向上させるべく反応条件の検討や種々の添加剤としてルイス酸を加えたが成功しなかった. 次に上記の反応で得られたα-Me体(2)及びβ-Me体(3)の2′位三級水酸基のデオキシ化を検討した. 3の三級水酸基をメチルオキザリル化し, ラジカル開始剤存在下Bu3SnHとともに加熱すると還元体である2′(S)-Me体(4)が選択的に得られた. 2を同様にメチルオキザリル化しようとしたが保護基の立体障害のため反応が進行せず, 2を脱保護後アセチル体に変換するとエステル化が進行した. これを同様にラジカル還元に付したところ2′-(S)-Me体(4)と2′-(R)-Me体(5)が3:1の比で得られた. これらを脱保護後NH3処理によりシトシン体(6, 7)に変換した.
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Research Products
(2 results)