Research Abstract |
テトロノライドの構造単位であるスピロテトロン酸部, およびオクタヒドロナフタレン部の光学活性体を, 次のようにして合成した. 1.スピロテトロン酸部:はじめにシクロヘキサンー1, 4-ジオンのモノエチレンケタールを出発原料として, 順次, アリールアルコール側鎖の導入, スピロテトロン酸環の形成, 共役不飽和アルデヒド基の導入を行って炭素骨格を構築, 最後にシクロヘキセン環にアリール水酸基を立体選択的に導入することによって, 目的物のラセミ体を合成した. ついで, 光学活性体を得るため, 市販の(IR, 2S)-2-ヒドロキシー5-オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルのエチレンケタールを原料とし, 上記ラセミ体合成法を準用することによって, 光学活性スピロテトロン酸部を合成することに成功した. 2.オクタリン部:天然物と同一の立体配置をもつ光学活性体を合成するため, D-グルコースを出発原料に用いた. すなわち, はじめにトリアセチルグリカールを経て(2S, 3S, 5S, 6S)-6-ヒドロキシメチルー2-メトキシー3, 5-ジメチルテトラヒドロピランに変換したあと, 6位にトリエン側鎖を導入した. ついで, グリコシド部を加水分解して得たヘミアセタールにウイテツヒ反応を施すことによって, トリデカー2, 8, 10, 12-テトラエン酸誘導体に導いた. 最後に, エステル基をアルデヒド基に変えたあと, 塩化ジメチルアルミニウムを触媒とする分子〓ゲイルスーアルダー反応を実施, 目的物を合成することに成功した.
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