1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570941
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渋谷 雅之 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40027066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊岡 康平 徳島大学, 薬学部, 助手 (90145011)
久保田 晴寿 徳島大学, 学長 (60035532)
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Keywords | カルジノフィリン / ネオカルチノスタチン / アジノマイシン / 化学構造 / 化学合成 / 絶対配置 / DNAの切断 |
Research Abstract |
カルジノフィリン(CZ)およびネオカルチノスタチンクロモフォア(NCS-Chr)は抗腫瘍性抗生物質として著名であるが, 共にその化学構造が確定していない. これらの化学構造を合成によって確定し, 活性機構を明らかにする目的で以下の研究を行なった. 1.CZおよびNCS-Chrのインターカレーターであるナフタレンカルボン酸の合成法を改良し, 収率良く大量に合成し, 将来の全合成のための研究に備えた. 2.CZは, 最近SS製薬研究グループにより報告されたアジノマイシンと同一物であることが我々の研究との比較により推定された. そこで, 新たにグルコースを出発原料としてアジノマイシンの左半分にあたる部分の光学活性体を全合成し, その部分構造を確定した. 3.アジノマイシンの右半分にあたる部分は絶対構造が不明のため, dl体を合成することとし, ピリミジン類等を出発原料として, その全合成のためのモデル実験を行なった. 4.アジノマイシンの部分合成品とCZの機器スペクトルデータを比較することにより, アジノマイシンがCZと同一物であることを確認した. このことからCZの約半分にあたる部分の絶対配置が決定された. 5.NCS-ChrはDNAを切断する作用があり, その活性本体は, ベンゼンジラジカルとされているが, 同様なラジカルを発生すると思われるモデル化合物の合成に着手した. 今後, これらのモデル化合物を使ってDNA切断の様式を研究したい.
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