1988 Fiscal Year Annual Research Report
強心性植物成分の応用研究強心配糖体の化学修飾と生理活性の相関
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62570946
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
榊原 仁作 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (70080182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 慎一 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (40080212)
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Keywords | プロシラリジン / ラクタム / ディールスアルダー反応 / van der Waals volume / Na^+,K^+,ーATPase / モネンシルアミノ酸 / ^<23>NaーNMR / カチオン捕捉能 |
Research Abstract |
前年度は海葱の成分であるプロシラリジンのラクトン環に親ジエン試薬を反応させ、生成物の強心作用の犬腎のNa^+、K^+ーATPaseを用いて測定した。本年度も引続きラクトン環の化学修飾の一環として、ラクトンのラクタム化と一部ラクタムのディールスアルダー反応を行った。一方強心配糖体と同じく、細胞内Na^+イオン量を増加させる作用を持つモネンシンについてもアミン酸と縮合させ、カチオン捕捉能とNa^+イオン輪送能をそれぞれ測定した。 1.プロシラリジンの化学修飾 プロシラリジンに酢酸アンモンを始め脂肪族1級アミン類を縮合させ、10種のラクタム誘導体を合成した。しかし芳香族アミン類との反応は芳香環のかさ高さが障害となり反応は進行しなかった。合成したラクタム類の構造と心臓作用との関連を研究するため、犬腎の酵素阻害活性を求めた。その結果、Nー置換基の小さなラクタムほど高い効力を有し、置換基のvan der Waals volumeと阻害活性との間に非常に高い相関関係が認められた。今後ラクタム体の合成を企画する上で、アルキル基の分子容積が効力を予測する重要なファクターになると考えられる。 2.モネンシルアミノ酸のカチオン捕捉能とNa^+イオン輪送能 ピクリン酸塩を用いてカチオン捕捉能を測定したところ、モネンシルアミノ酸類(7種)のNa^+イオン捕捉能はモネンシンと全く変わらなかったが、他のカチオン捕捉能はモネンシンを上回った。また^<23>NaーNMRスペクトルを用いてモルモットの赤血球内へのNa^+イオン輪送能を測定したところ、修飾体とモネンシンとの間に大きな差は認められなかったが、アミノ酸部分に脂溶性置換基を含む修飾体ほど細胞内へのNa^+イオン流入初速度が早いことが判明した。
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Research Products
(1 results)