1988 Fiscal Year Annual Research Report
クーロメトリック検出高速液体クロマトグラフィーによる生理活性物質の高感度分析
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62570959
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
島田 和武 金沢大学, 薬学部, 教授 (90004605)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / 7-ロメトリック検出 / 電気化学活性基 / フェロセン / チオール / 脂肪酸 / 光学活性カルボン酸 / 光学分割 |
Research Abstract |
本研究は、卓越した分析システムである高速液体クロマトグラフィー用電気化学検出器(HPLC/ECD)のなかでも、最近開発されより高感度、高選択性を示すクーロメトリック検出器に着目し行われたものである。すなわち、優れたelectrophareのラベル化により従来測定が困難であった体液中超微量成分の高感度、高選択的分析法を確立すると共に、臨床診断病態解析に信頼度の高い方法論を提供することを目的としている。 先に易酸化性で、酸化還元の可逆性に優れるフェロセンをelectrophoreとし、チオール化合物にはマレイミド、脂肪酸には活性ハロゲンを反応活性基とするプレラベル化剤を開発し、その諸性質に検討を加えた。その結果、チオール化合物にはN-(ferrocenyl)mdleinde、脂肪酸には3-bromo-acefyl-1、1'-dimethylferroceneが反応性、電気化学的性質共優れていることが判明した。さらとにこれらを各々生体内グルタチオン、脂肪酸の分析へ応用し、いずれも良好な結果を得た。この際クーロメトリック検出器は特に優れた応答性(検出限界0.06pmol)を示し、有用であった。 一方、光学異性薬物の生体内挙動を的確に把握することは、薬物の有効性、安全性を確保するうえで極めて重要であり、種々のプレラベル化剤の開発が行われている。しかし、光学異性体分離用試薬でECDに応答するものは未だ開発されておらず、HPLC/ECDの有用性が活かされていない。こそでR-(-)-1-ferrocenylethylamineを開発し、抗炎症薬であるibuprofenの分離定量へ応用した。誘導体化は緩和な条件下定量的に進行すると共に、異性化等もみられなかった。さらに、逆相系モードにも抱らずR、S体の分離が20分以内に完了した。そこで(±)-ibuprofenを健常人に経口投与し、血中濃度測定へ応用したところ、光学異性体の体内動態に差のみられることが明らかとなった。以上のように本試薬は、HPLC/ECDの有用性を活かすものとして極めて有用である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazutake,SHIMADA et al.: J.Chromatogr.419. 17-25 (1987)
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[Publications] Kazutake,SHIMADA et al.: J.Lip.Chromatogr.10(10). 2177-2187 (1987)
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[Publications] Kazutake,SHIMADA etal.: J.Lip.Chromatogr.10 (14). 3161-3172 (1987)