Research Abstract |
(1)In vivoの条件で, ラットを用いβ-エンドルフィン(β-Ep), 上皮細胞増殖因子(EGF)を静注後, これらペプタイドのファーマコキネティクスを主に血中濃度変化及び主な組織中濃度変化より調べた. この時, 投与量を広い範囲で変化させ, 非線形性の有無を調べた. 体内動態にリセプターの関与が考えられるβ-Ep, EGFにおいては, 顕著な投与量依存性が存在した. 各投与量において, いわゆるDose/AVCより全身クリアランスを計算した. また, どの臓器が全身クリアランスに最も寄与するかを正確に見積もるために, 最も可能性の大きい肝と腎を用い, その動脈と静脈の濃度差を測定し, 肝クリアランス, 腎クリアランスを測定したところ, EGFでは肝クリアランスと腎クリアランスのみで全身クリアランスが説明できた. 又, 肝クリアランスは, 腎クリアランスよりも約4倍大きかった. さらに, β-Epについては, 同時に頸動脈, 頸静脈内投与時のデータをとり解析したところ, 肝, 腎クリアランスの他に, 肺でのクリアランスが大きく関与していることがわかった. これらペプタイド類の定量には, 主に, ラジオイムアッセイ(RIA)を用い, 必要に応じてゲル濾過による分離を併用した. (2)In vivoの実験条件で, 各ペプタイド及びその代謝物の各臓器への分布を測定した. 一方で, 各臓器でのホモジネート, 分離細胞を用いて, 特異的結合を測定し, in vivoでの分布結果と比較したところ, 分布における臓器特異性をほぼ説明できる結果を得た.
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