1987 Fiscal Year Annual Research Report
陰嚢表皮からのインスリン, カルシトニンの吸収機構の解明と投与法の開発
Project/Area Number |
62570963
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
奥村 勝彦 神戸大学, 医学部付属病院, 助教授 (60025707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 高義 神戸大学, 医学部, 講師 (50144564)
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Keywords | 陰嚢 / 経皮吸収 / インスリン / シクロスポリンA / エイゾン / ドラッグデリバリーシステム / ペプチドの投与法 |
Research Abstract |
ペブチド性医薬品のラット陰嚢表皮からの吸収機構を解明するため, インスリン, シクロスポリンAについて検討し, 以下の点を明らかにした. I.インスリン (1)吸収促進剤を含まないインスリン単独投与の場合, 吸収はほとんど認められなかった. (2)エイゾン(Azone), サルチル酸の共存により吸収は促進されるが, 鼻粘膜吸収等で有効であった胆汁酸塩類では明確な吸収促進は認められなかった. (3)陰嚢表皮の角質部分をセロファンテープで軽度に剥離することにより, 若干の血中インスリン濃度増大が観察され, 角質層がインスリン吸収のバリヤーとして機能していることが推察された. II.シクロスポリンA (1)インスリンと同様, 吸収促進剤の共存しない場合, 吸収は極めて低いことが認められた. (2)エイゾン・ジメチルスルホキシド等の添加により吸収促進が確認され, その血中濃度はインスリンの数十倍となり, 最高血中濃度到達時間も短縮された. (3)種々の吸収促進剤で処理した後の陰嚢表皮組織を光学顕微鏡観察した結果, 表面の角質層が吸収にかなり関与していると推察された. (4)セロファンテープで角質を除去した陰嚢にエイゾン含有シクロスポリンAを投与してもエイゾン添加のみの場合と吸収に差が認められなかったことより, エイゾンは実質的に角質層に作用するものと予測された.
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[Publications] R. Hori;K. Okumura;M. Ando: Pharmaceutical Rescarch.
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[Publications] K. Okumura;M. Ando;R. Hori: J. pharm, Sci.