1988 Fiscal Year Annual Research Report
組織因子を指標にしたエンドトキシン誘導体のマクロファージ活性化作用の解析
Project/Area Number |
62570984
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 伸 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10101255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 一雄 京都大学, 霊長類研究所, 教務職員 (10089138)
後藤 俊二 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90093343)
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Keywords | 組織因子 / マクロファージ / 活性化 / エンドトキシン / リピドA |
Research Abstract |
今年度は、昨年度確立した組織因子(tissue factor,TF)を指標にした活性化マクロファージの測定法を駆使し、エンドトキシン(LPS)によるマクロファージ活性化機序を解析した。 昨年度に引き続き、LPS分子中のマクロファージ活性化単位を調べ、Lipid-Aがその機能ドメインであること。また、多糖部分には、この細胞活性化作用はないことを明らかにした。マクロファージ活性化機序として、LPS分子中のLipid A部分の脂肪酸とマクロファージの膜リン脂質とが、直接リピド-リピド相互作用することで細胞活性化が惹起することが示唆された。更に、LPSによるマクロファージ活性化には、Tーリンパ球由来のリンホカイン様因子の関与も明らかになった。 TFに対するモノクロナール抗体を用いてフローサイトメトリーによる活性化マクロファージの同定及び定量を試みた。FITCー標識モノクロナールによるFACS解析により、以下の結果を得た。 末梢血より単離直後の単球の細胞表面TF抗原量は、FACS陽性率3〜6%であった。一方、この単球をLPSと12時間培養すると細肪活性化に伴いTFの発現量は65〜78%に増大した。現在、本法の条件化を更に進めると共に、LPS投与ニホンザルにおける末梢血中の活性化マクロファージの動態、あるいはヒトにおける種々白血病や免疫異常における活性化マクロファージの変動等の解析への活用を試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中村伸: 血液と脈管. 19. 450 (1988)
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[Publications] 平田陸正 他: 第35回毒素シンポジウム予稿集. 125-129 (1988)
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[Publications] Akihiro YAMADA: Eur.J.Biochem.175. 213-220 (1988)
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[Publications] 中村伸: 血栓形成と血栓溶解. (1989)
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[Publications] Shin NAKAMURA: FEBS Lett.