1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
血小板ホスホエステラーゼ阻害ペプチドの抗血栓作用薬への応用研究
Project/Area Number |
62570985
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三村 務 大阪大学, 薬学部, 助教授 (40028832)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 勝 大阪大学, 薬学部, 助手 (30089875)
小浜 靖弘 大阪大学, 薬学部, 助手 (60028868)
|
Project Period (FY) |
1987 – 1989
|
Keywords | 血小板 / ホスホジエステラーゼ / ペプチド / 抗血栓作用 / 不整脈 / ペプチド合成 |
Research Abstract |
心臓由来のヘキサペプチドGly-Pro-Hyp-Gly-Ala-Gly(AAP)が抗血栓作用を示すことをみいだし, その作用機序としてCa^<2+>, カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼを阻害することを認めた. 本研究では先ずこのペプチドの抗血栓用薬への応用として, より強力な作用を示すアナローグの検索を行なった. AAPはきわめて親水性であり, 生体内における有効性に限界があり, そこでAAPと同等の作用を示す断片ペプチドPro-Hyp-Gly-Ala-Gly(P-5)を用いて, そのN末端イミノ基に3種の疎水性基, N-3-(4-hydroxyphenyl)propionyl(H), N-3-phenylpropionyl(I)及N-3-phenylpropyl(P)を導入した3個のアナローグ(以下それぞれHP-5, IP-5及PP-5)合成した. 合成法は保護アミノ酸などをdicyclohexylcarbodiimide法により縮合し, 保護基を接触還元により除いた. 精製はシリカゲル及びODSを用いたHPLCにより行ない構造確認はNMR, IR及びアミノ酸分析により行なった. これらアナローグにつきマウスにおけるCa誘発不整脈モデルを用いて抗血栓作用を検討した結果, HP-5が1mg/kg.i.vの用量で有意な作用を示すことを認めた. IP-5は元のP-5と同じく10mg/kgの用量で有意な作用を示したが, PP-5は無効であった. このようにHP-5はin vitroにおいてAAP及P-5の10倍の活性を示すことを認めた. さらに強い活性を示したHP-5につき血小板Ca^<2+>, カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼ活性に及ぼす影響を調べたところ強い抑制作用を認めた. 次年度以降は, さらに強力なアナローグを検索することにより抗血栓作用薬への応用を計りたい.
|
Research Products
(1 results)