1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヘモグロビンからヘムの脱離が契機となる医薬品の溶血性貧血機構に関する研究
Project/Area Number |
62570988
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Research Institution | Health Sciences of Okayama University |
Principal Investigator |
廣田 和弘 岡山大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50029956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩藤 章正 岡山大学, 薬学部, 助手 (10116436)
佐々木 健二 岡山大学, 薬学部, 教務員 (20116461)
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Keywords | ヘモグロビン / ヘム / 赤血球 / ピロール |
Research Abstract |
プリマキン, フェナセチン, アミノサリチル酸などのいくつかの医薬品は赤血球中でヘモグロビン(Hb)を変性させ沈澱塊(ハインツ体)をつくる. これが赤血球膜を攻撃して膜の持つ重要な変形能の劣化を招き, ひ臓の細い細胞間隙を通過できず, 赤血球が崩壊(溶血)し貧血を起す. これらの医薬品の副作用としての貧血機構の生化学的解明を行うのが本研究の目的である. この研究達成の最も重要な仕事は, 赤血球の中で上記の医薬品とヘモグロビンから生じる過酸化水素などの活性酸素が, Hbのヘム環のどこに酸化的攻撃するかという問題である. このため, 上記の医薬品から発生する過酸化水素と赤血球と接触させヘムの酸化的開裂物質を検索した. この物質は, プロトポルフィリンの4種のメテン基のすべてが開裂したものであった. 又, βとδーメテン基が酸化開裂したジピロールを単離し, 本研究の初期の目的を達成した.
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