1987 Fiscal Year Annual Research Report
コリン作動性神経終末におけるアセチルコリン遊離調節機構の解明
Project/Area Number |
62570995
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
川島 紘一郎 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (70095008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畑 尚代 共立薬科大学, 薬学部, 助手
藤本 和子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (50229043)
鈴木 岳之 共立薬科大学, 薬学部, 講師 (90187740)
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Keywords | アセチルコリン遊離 / ラジオイムノアッセイ / シナプス前M, 受容体 / モルモット回腸縦走筋 / ピレンゼピン / アトロピン / ラット前脳基底核 / TRH / 誘導体 |
Research Abstract |
我々の研究室で解発した10pg/tubeの検出限界をもつ高感度なアセチルコリン(ACh)のラジオイム/アッセイを用いて, 摘出モルモット回腸縦走筋標本およびラット前脳基底核スライスにおけるACh遊離調節機構の研究を行った. 1.モルモット回腸縦走筋標本における研究: モルモット回腸縦走筋標本をクレブス液を満したマグヌス管中に懸垂し, 下端を固定した後, 上端を変位トランスデューサーに接続した. マグヌス管を種々の薬液を含むクレブス液を下端から潅流して, 上端より吸引により採取した. またマグヌス管の上下端に電極を装着して電気刺激を行った. 電気刺激により標本は収縮反応を示し, ACh遊離量の増大がみられた. AChのムスカリン受容体はM_1とM_2に大別される. 従来の定説ではコリン作動性神経終末にM_2受容体が存在して, この受容体が刺激されてACh遊離の減少が起こるとされていた. 我々の実験ではM_1受容体を選択的に遮断するピレンゼピンを潅流するとACh遊離量が次第に増大し, また収縮反応もある濃度までは次第に増大し, 次に抑制がみられた. M_1およびM_2受容体に対する選択性の低いアトロピンはACh遊離量を増大させたが, 収縮反応の抑制もすぐに発現した. 以上の知見よりACh遊離を調節しているのはM_1受容体であることが示された. 2.ラット前脳基底核スライスからのACh遊離: 老人性痴呆症との関連が注目されているマイネルト核を含むラットの前脳基底核スライスを作製し, 脳機能を改善する作用をもつといわれているTRHおよびその誘導体の存在下で, ACh遊離におよぼす作用を調べた. 高カリウム液により刺激した場合のACh遊離量が10^<-4>MのTRH誘導体により有意に増大した. しかし, この作用の臨床的な意味づけにはさらに研究を続行する必要がある.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takeshi Suzuki: Japan. J. Pharmacol.43S. 133 (1987)
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[Publications] Kazuko Fujimoto: Japan. J. Pharmacol.43S. 155 (1987)
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[Publications] Kazako Fujimoto: Japan. J. Pharmacol.46S. 142 (1988)
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[Publications] Koichiro Kawashima: J. Pharmacol. Exp. Ther. 244. (1988)