1987 Fiscal Year Annual Research Report
L-バンドESRイメージング法による肝機能のin situ測定法の開発
Project/Area Number |
62570997
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
内海 英雄 昭和大学, 薬学部, 助教授 (20101694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 純一郎 昭和大学, 薬学部, 助手 (30095921)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / スピンラベル / 肝ミクロソーム / ESRイメージング法 / ニトロキシド還元反応 |
Research Abstract |
L-バンドESR分光器の設置に先立ち, 種々の基礎研究を行い, 下記の結果を得た. 1.ESRイメージングを行う場合, 通常ニトロキシドラジカルがプローブに使われるものと考えられる. そこで, 生体内でニトロキシドラジカルの挙動に最も深く関与していると推測される肝ミクロソームを調整し, 肝ミクロソーム内でのニトロキシドラジカルの消長およびその生化学的特性をスピンラペル法により検討した. その結果, ニトロキシドラジカルの還元反応にチトクロームP-450が関与すること, 還元反応の速度は, 肝ミクロソーム膜内の縦方向の深さで異なり, 膜内部ほど速いこと, この速度に関する酵素化学時検討より, 酵素と基質の親和性よりも別の因子が関与していることなどが明らかになった. 2.肝ミクロソーム膜には種乗りのリン脂質が存在している. 最近, リン脂質のある種のものが, 生体膜での情報伝達に深く関与していることが示唆されつつある. そこで, 上記ニトロキシド還元反応が膜脂質にいかなる依存性を示すかを明らかにする為に, レシチン, ホスファチジルエタノールアミン, ホスファチジルグリセロール, ホルファチジン酸にニトロキシド基を付した基質を合成し, 肝ミクロソームでのニトロキシドラジカル還元反応とリン脂質種との関係をESRにより測定した. その結果, ニトロキシド基還元反応の酵素の関りにはホスフャチジン酸が優先的に存在し, 他のリン脂質間では余り差がないことが示された. 3.リン脂質と肝ミクロソーム蛋質との相互作用を検討するために, 肝ミクロソーム膜よりチトクロームP-450を単調した. 更に再構成膜を作成し蛋白質-リン脂質間相互作用の特異性をESRにより検討するため種々の検討を進めている.
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[Publications] Kayaoko Fukuda: Biochim. Biophys. Acta. 900. 267-274 (1987)
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[Publications] Keizo Takeshita: Biophys. J.52. 187-197 (1987)
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[Publications] Hideo Utsumi: J.Pharmacobio-Dyn. 10. 5-126 (1987)
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[Publications] 内海 英雄: 水質汚濁研究. 10. 12-16 (1987)