1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62571004
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Research Institution | National Institute of Health |
Principal Investigator |
西島 正弘 国立予防衛生研究所, 化学部, 室長 (60072956)
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Keywords | CHO細胞 / イノシトール輸送 / ホスファチジルセリン / 生合成 / 遺伝子クローニング / 体細胞変異株 / リン脂質生合成調節機構 / グルコース輸送 |
Research Abstract |
1.イノシトールリン脂質の生合成に必須であるイノシトールの輸送系は不明な点が多い。動物培養細胞CHO-KIを用い、イノシトール輸送系の性状解析およびイノシトール輸送欠損株の分離を行った。(i)CHO-KI細胞のイノシトール輸送には、Na^+依存性および非依存性の2つの輸送系が存在することが判った。前者は、エネルギー阻害在ジニトロフェーノールにより阻害され、またイノシトールに対するKm値は約10μmであった。後者もジニトロフェノールにより阻害されたが、イノシトール濃度を10mMまで上げても飽和せず、Km値はそれ以上か、または不飽和な過程と考えられた。(ii)得られた変異株の一つ#648株は、Na^+依存性のイノシトール輸送活性を欠損していた。この変異株のイノシトールリン脂質生合成、Na^+依存性ロイシン輸送活性等は正常であり、変異株の変異部位はイノシトール輸送系にあることが示唆された。 2.PS(ホスファチジルセリン)の生合成調節機構が異常となった変異株(#29株)をポリエステル布レプリカ法を用いて分離することに成功した。親株に於けるPSの生合成は培地にPSを加えると特異的に抑制されるが、#29のPS合成はその抑制を受けないことが明らかとなった。更に、PS生合成酵素それ自身がPSにより阻害されること、および変異株ではその阻害に対しても抵抗性を示すことが明らかとなった。 3.PS要求株のPS要求性を相補する遺伝子をCHO細胞ジェノミックおよびCDNAライブラリーから2種類単離することに成功した。一つはPS合成酵素、他はサプレッサー遺伝子であることが判った。 4.CHO-K1細胞からグルコース輸送欠損株を分離した。この変異株では、グルコース輸送体量が著しく減少していることをウェスタンブロット法により明らかにした。
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