1988 Fiscal Year Annual Research Report
脳内ヒスタミンH_1受容体による摂食調節機構の解析
Project/Area Number |
62571025
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Research Institution | Faculty of Medicine, Kyushu University |
Principal Investigator |
藤本 一眞 九州大学, 医学部, 助手 (50181392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 利家 九州大学, 医学部, 助教授 (50037420)
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Keywords | ヒスタミンH_1受容体拮抗薬 / 視床下部腹内側核 / 外側視床下野 / 室傍核 / 視床下部背内側核 / 視索前野-前視床下野 / 神経性分泌ヒスタミン / 摂食行動 |
Research Abstract |
前年度の研究において、脳内のヒスタミンはH_1受容体を介して摂食を抑制していることが判明した。今回は、微量注入実験によって視床下部における作用部位を同定するとともに、その作用機序を解明した。まず、視床下部腹内側核(VMH)、外側視床下野、室傍核(PVN)、視床下部背内側核、視索前野-前視床下野にH_1受容体拮抗薬を両側性に投与した。その結果、VMH、PVN投与群で摂食が誘発され、その程度はVMHでより強大であった。視床下部の他の部位への投与では摂食は誘発されなかった。VMHやPVNへの投与においても、片側性の投与や、視床下部のヒスタミンの濃度が低下する時期での投与では摂食は誘発されなかった。このことは、脳内のヒスタミンがtonicに摂食を抑制しており、H_1受容体拮抗薬によりその抑制がとれることで摂食が誘発されたことを示唆している。このような摂食誘発作用は、シナプトゾーム由来の神経性分泌ヒスタミンを特異的に枯渇させるα-fluoromethylhistidineの前処置で消失する。この結果は摂食調節に関与する脳内ヒスタミンは肥胖細胞由来ではなくて、シナプトゾーム由来の神経性分泌ヒスタミンであることを証明した。以上の実験結果より、神経性分泌ヒスタミンは視床下部のVMHやPVNのH_1受容体を介して摂食抑制性に働くことが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Sakata.: Brain Res.441. 403-407 (1988)
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[Publications] T.Sakata.: Physiol.Behav.44. 539-543 (1988)
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[Publications] K.Fukagawa.: Am.J.Physiol.256. (1989)
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[Publications] K.Ookuma.: Brain Res.(1989)
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[Publications] K.Fujimoto.: Psychopharmacology. (1989)
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[Publications] K.Fujimoto.: Experientia.