1987 Fiscal Year Annual Research Report
患者試料中のポリアミンの動態酵素反応と化学発光反応を応用した高速液体クロマトグラフィーによる測定法とその応用
Project/Area Number |
62571033
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀井 幸子 東京大学, 医学部(病), 講師 (40107503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 昭行 東京大学, 医学部(病), 教授 (20010423)
|
Keywords | ポリアミン / ポリアミン酸化酵素 / 化学発光 / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
臨床化学領域における癌の診療指標として尿中総ポリアミンが用いられつつある. ポリアミンによる詳細な病態解析を行うために, 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した分画測定が行われている. HPLCの検出法としては現在は専らオルトフタルアルデヒド(OPA)のポストラベルによる蛍光検出が行われている. しかしOPAはポリアミンに特異的でなく多くの化合物と反応するため, 生体試料のように複雑な成分の中に少量含まれるポリアミンを正確に検出することは困難である. われわれは, ポリアミンを特異的に酸化する酵素と, 高感度な化学発光反応を組合わせた, 新しいポリアミン検出系を考案して臨床応用をはかろうとした. 1)酵素の固定化 ポリアミンオキシダーゼ, プトレシンオキシダーゼをガラスビーズに固定化し, ミニカラネに充填して流路に組込んだ. (グルタルアルデヒド法) 2)化学発光反応の至適条件の設定 検出のタイミング, 試薬濃度, PHほかの基礎的検討をフローインジェクションシステムにて行い, 条件を設定した. 3)HPLCによるポリアミン分画条件の設定 オクタデシルシラン系のカラムを使用したイオンペアクロマトグラフィーで, アイソクラティックな分離条件を得た. 4)全システムを使用したポリアミン4分画の分析結果 今回開発した検出系を用いた分析は, 検出限界, 分析の精密度, 検量範囲などについては従来よりのOPA法とほぼ同等であった. 特異性については予期した通り各段に良好で, 従来法では分析不能であった尿試料も, 本法では十分に測定することができた.
|