Research Abstract |
「在宅重症患者に対する看護基準(試案)」の作成を目的に研究した. 1.研究方法, 今年度は, 枠組と基礎になる部分について項目を立てて, 資料収集と分析, 検討を行ない, 基準化要件を抽出した. 研究資料は, 在宅重症患者看護資料:川村が東京都立神経病院在宅診療活動において行なった在宅重症看護症例約360例, 及び神経科学総合研究所で行なった20例の資料を分析に用いた. 本年度は, 次の項目に関して研究し基準化を進めた. A.在宅ケアの定義及び在宅ケアにおける看護のあり方, 在宅看護の特徴, 看護の専門性(日本プライマリ・ケア学会委員会において医師と協同して研究した結果を基本とした. またデンマークのナーシングホーム長から, 在宅支援システムに関し資料を得た. ) 2.研究経過, B, 在宅看護の基礎:在宅看護ステーションなどの在宅看護条件, a, 医師との連携, b, 地域関連機関とのチームワーク, c, 家族介護条件, 家族指導, 施設利用, d, 状態別看護技術, (a)人工呼吸器による呼吸管理など, 呼吸障害の看護, (b)退院期の看護についての基準化を図った. (資料は別添)緊急時の看護等, 残る項目は次年度に検討を続ける. 3.研究結果, 新たに, 次の知見を得た. (1)在宅看護のあり方は, 医療機関内と同様に, 患者の看護ニードを満たす条件を整備しなければならない. この事を, プライマリ・ケア医と確認した. (2)各地で在宅重症患者から看護対応が要請されサポートシステムの必要が急激に高まっている. (3)在宅重症患者の病態から, 在宅看護基準は, 現在の地域看護体制を基に作成することはできず, 発展的姿を予測しながら, しかも, 時々刻々変化する現状を加味して, 現実的検討を加えて抽象化する必要がある. (1)と(3)については, 今後も継続して検討を行なう.
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