1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
雨宮 宏 理化学研究所, プラズマ物理研究室, 副主任研究員 (60087426)
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Keywords | 負イオン / プローブ / ファラデーカップ / イオン音波 / よう素プラズマ / 水素プラズマ |
Research Abstract |
本研究の目的は負イオンを含むプラズマの特性が十分に明らかにされていない事, その計測法も確立されていない事に鑑み負イオン密度, 温度の定量的測定法を確立する事にある. その方法として大別してブローブ法とイオン音波法を用いる. 62年度の成果は以下の二点である. 1.ドリベステン法に基づくエネルギー分布測定法を負イオン測定に適用し空間電位付近に生ずる鋭敏なピークの高さと幅より負イオンの密度, 温度を求める方法において, 低雑音化とプローブ特性の三次微分を採る方法を試みた. この方法による負イオン測定はこれまで水素負イオン源およびハロゲンプラズマで行って来たが, 各々について結論を出しまとめた. とくに, よう素-不活性ガス(アルゴン)プラズマでは広範囲に負イオン密度/電子密度比を変えられる特徴のある事を明らかにした. 2.『負イオン敏感プローブ』を開発, その電流電圧特性を計算し解析的な表式を得る事に成功した. この原理はプローブ表面にオリフィスを設けプローブ電圧を空間電位より高くし正イオンを除去, 電子及び負イオンのみオリフィスを通過させオリフィス背後に配置した微小磁石により電子を偏向・負イオンのみを選択的にコレクタに補集するものである. 電流電圧特性に対する解析的な表式が得られた事は貴重な成果でプラズマ診断上非常に有用と考えられる. また, 上記表式から本ブローブの設計基準および負イオン密度, 温度の決定法を明らかにした. さらに, 本プローブおよび本ブローブと同一構造で磁石を配置しない参照プローブ(ファラテーカップ)を作成, 水素負イオン源において相互比較実験および理論との対比を行った. その結果, 高速電子の影響, 漏洩電流ないし変位電流, 衝突効果, 等について今後の見通しを得た.
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[Publications] H.Amemiya 雨宮宏,Y.Sakamoto 坂本雄一: Jpn J. Appl. Phys.26. 1170-78 (1987)
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[Publications] H.Amemiya 雨宮宏,S.Ono 小野茂,S.Teii 堤井信力: J. Phys. Soc Japan. 56. 4312-4328 (1987)
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[Publications] 雨宮宏,坂本雄一,野田隆,野宮芳雄,清水知男: 理化学研究所報告. 63. 15-36 (1987)
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[Publications] H. Amemiya: Jpn, J. Appl. Phys.27. 297-301 (1988)