1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小柳 義夫 筑波大学, 電子情報・工学系, 助教授 (60011673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名取 亮 筑波大学, 電子情報・工学系, 教授 (70013745)
池辺 八洲彦 筑波大学, 電子情報・工学系, 教授 (10114034)
森 正武 筑波大学, 電子情報・工学系, 教授 (20010936)
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Keywords | 連立一次方程式 / 格子ゲージ理論 / モンテカルロシミュレーション / LU分解 / 前処理 / 共役残差法 / ベクトル化 / 超平面法 |
Research Abstract |
物理学等に現れる大規模線形方程式とその開法について研究した. とくに格子ゲージ理論の動力学的シミュレーションを, フェルミオン行列のLU分解の更新に基づいてMetropolis法を実行するアルゴリズムを開発し, 東京大学大型計算機センターのスーパーコンピュータS810およびS820上で実行した. モンテカルロ法においては, 1回の更新で変化する行列要素は6×6のブロックなので, ランク1更新を6回行えばLU分解を修正することができ, 計算時間は直接分解の10分の1ですんだ. 誤差の集積も数千回程度では10^<-10>以下であることを確認した. 以上の方法により, 従来のランジェバン法などでは実行不可能であった. 極めて軽いクォークに対するシミュレーションを行うことが可能になった. 本研究ではテストデータを取っただけであるが, 今後大規模なシミュレーションを実行する予定でる. あわせて, 前処理付き共役残差法のベクトル化について研究を行った. このような反復開法においては, 前処理による反復回数の減少とともに, 前処理自体の高速化が問題となる. 本研究では, 不完全LU分解前処理を, 超平面法でベクトル化した場合と, 16色法でベクトル化した場合を比較した. 加速パラメータを適当に選べば後者の反復回数は前者の2倍程度になるので. もし1回の演算時間が半分以下になれば, 16色法が有利になることを示した. 演算時間はアーキテクチャ依存性が大きく, 一般的には議論できない. 以上のように, 本研究ではスーパーコンピュータを長時間走らせることにより, 大規模な線形方程式に対するアルゴリズムを実際的に評価した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y. Oyanagi: Journal of Information Processing. 11. (1988)
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[Publications] Y. Oyanagi: Supercomputing in Japan, ed. by R.H.Mendez Springer Verlag. (1988)
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[Publications] Y. Oyanagi: Proceedings of the First IASC World Conference on Computational Statistics and Data Analysis. 167-174 (1987)
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[Publications] M. Fukugita: Physics Letters.
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[Publications] 村田健郎: "工学における数値シミュレーション" 丸善, 322 (1988)