情報流のネットワーキングと性能評価手法に関する研究

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62580022
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 長谷川 利治 京都大学, 工学部, 教授 (40025911)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西尾 章治郎 京都大学, 工学部, 助手 (50135539) ; 高橋 豊 京都大学, 工学部, 助手 (00135526) ; 荻野 勝哉 京都大学, 工学部, 講師 (60026292) ; 福嶋 雅夫 京都大学, 工学部, 助教授 (30089114) ; 茨木 俊秀 京都大学, 工学部, 教授 (50026192)
• Keywords: 情報流網 / ネットワーキング / 性能評価 / LAN / データベース / CSMAトークン方式 / ポーリング / 相互接続

Research Abstract

本年度においては, これまでに得られた情報流網の最適構成の基礎となる情報システムの性能評価手法に関する成果を踏まえ, 次のような研究成果が得られた.
1.ローカルエリアネットワークを相互接続するに際して必要なゲートウェイのバッファサイズに関する考察を行った. 具体的には, まずCSMA方式のLANからのメッセージ出力時間間隔の確率分布を求め, それを基にバッファサイズとメッセージの廃棄率の関係を解析的に求めた. 数値結果からサイズが小さいときには, その差は廃棄率に大きな影響を与えることが判明した.
2.LANのもう一つの代表的なプロトコルであるトークン方式の数学的モデルであるポーリング・システムを解析し, メッセージの出力過程を明らかにした. このことからトークン方式LANの相互接続に際して, 1と同様の解析が可能となった.
3.1および2の結果を用いることにより情報流網の最適構成に関して特にLANの相互接続網におけるゲートウェイの必要なバッファサイズに関して廃棄率を許容範囲に保ちつつ最適化を計ることができる.
4.対象とする情報システムにデータベースが含まれる場合, 通信ネットワークにおける遅延が問合せあるいは更新のトランザクションの応答時間に与える影響を解析的に評価する手法を開発した. データベースの首尾一貫性を保つために必要な同時実行制御アルゴリズムとしては多版方式の先読みスケジューリングを対象として, 応答時間の確率分布を求めた.
以上のように当初の研究実施計画に沿った成果が得られたものと確信する.

Research Products

• [Publications] Y. Takahashi;T. Hasegawa: Local Communication Systems:LAN and PBX, J. P. Cabanel, G. Pujolle & A. Danthine(editors), North-Holland, Amsterdam, pp. 423-435(1987). 423-435 (1987)
• [Publications] Y. Takahashi;T. Hasegawa: Modelling Techniques and Performance Evaluation, S. Fdida & G. Pujolle. 151-164 (1987)
• [Publications] Y. Matsumoto;Y. Takahashi;T. Hasegawa: IEEE GLOBECOM'87. 582-587 (1987)
• [Publications] T. Matsui;Y. Takahashi;T. Hasegawa: IEEE GLOBECOM'87. 217-221 (1987)
• [Publications] J. F. Ren;Y. Takahashi;T. Hasegawa: IEEE GLOBECOM'87. 2124-2128 (1987)
• [Publications] T. Takine;Y. Takahashi;T. Hasegawa: Performance'87. 241-251 (1987)
• [Publications] 松本豊, 高橋豊, 長谷川利治: 電子情報通信学会論文誌. J70-B. 943-951 (1987)
• [Publications] 滝根哲哉, 高橋豊, 長谷川利治: 電子情報通信学会論文誌. J70-B. 989-998 (1987)
• [Publications] K. Goto;Y. Takahashi;T. Hasegawa: IEEE INFOCOM'87. 19-25 (1987)
• [Publications] W. Yue;Y. Takahashi;T. Hasegawa: Proceedings of the International Conference on Communication Technology, Nanjing, China. 795-798 (1987)
• [Publications] T. Takine;Y. Takahashi;T. Hasegawa: Computer Performance and Reliability, G. Iazeolla, P. J. Courtois, and O. J. Boxma(editors). 473-488 (1988)
• [Publications] T. Takine;Y. Takahashi;T. Hasegawa: IEEE Transactions on Communications. (1988)
• [Publications] S. Matsuyama;T. Ibaraki;S. Nishio, and T. Hasegawa: IEEE Transactions on Software Engineering. SE-13. 602-606 (1987)
• [Publications] S. Nishino;M. Watanabe;Y. Ohiwa, and T. Hasegawa: Proceedings of the 5th International Workshop on Datebase Machines. 212-225 (1987)
• [Publications] H. Kawano;S. Nishio, and T. Hasegawa: Conference Record, IEEE/IEICE Global Telecommunications Conference 1987. 566-570 (1987)
• [Publications] 中畑雅嗣, 西尾章治郎, 長谷川利治: 日本ソフトウェア科学会第4回大会論文集. 471-474 (1987)
• [Publications] 河野浩之, 西尾章治郎, 長谷川利治: 電子情報通信学会論文誌. J71-B. 138-149 (1988)