1987 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球凝集性脳脊髄炎ウィルス感染に対するマウスの年令依存抵抗性の解析
Project/Area Number |
62580032
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (40166476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 芳宏 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (10187685)
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Keywords | 赤血球凝集性脳脊髄炎ウィルス / マウス / 年令依存抵抗性 |
Research Abstract |
初年度は, 赤血球凝集性脳脊髄炎ウィルスに対する年令依存抵抗性が, 免疫機能の抑制により変化するかどうかを見るため, 免疫抑制処置マウス, 先天性免疫機能不全マウスへの実験感染を行ない, 抵抗性の変化を検討した. また, 第2年度に予定していた免疫マウスから哺乳マウスへの抵抗性の伝達についても, 一部実験を開始した. 今年度の成果の概要を次に示す. 1.接種ウィルス量, 接種ルートの決定:経鼻, 腹腔内各ルートにより, 5日令, 6周令マウスに各種濃度のウィルスを感染させた. 10^<4.3>LD_<50>(3日令マウス脳内接種法)の接種量では, 各ルートとも5日令に対し致死的であるが, 6週令では1例も死亡しなかった. そこで, 10^<4.3>LD_<50>のウィルスを, 自然感染ルートに近い経鼻ルートで感染させる方法を, 以下の実験に用いることにした. 2.免疫機能不全マウス, 免疫抑制処置マウスへの実験感染:ヌードマウスおよびプレドニゾロン処理マウスは, それぞれの対照群に比較して死亡率が高く, それぞれ, 抵抗性との関連が示唆された. これらは, 例数を増やして追加実験中である. 3.免疫マウスからの抗体移入による抵抗性の伝達:免疫マウスの仔は経鼻, 腹腔いずれのルートからの感染に対しても抵抗し, 死亡例は認められなかった. また, 免疫血清を接種した新生仔マウスにも死亡例にみられなかった. このことから, 液性抗体により抵抗性が伝達できることが明らかになった. この他, 酵素抗体法のための抗原作成, 反応条件の検討, および免疫機能不全マウス(C57BL/6j-bg,CBA/N)の繁殖を行ない, 近く感染実験に使用する予定である.
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