1988 Fiscal Year Annual Research Report
Anti-sense RNAによるウィルス抵抗性マウスの作出に関する基礎的研究 (マウス肝炎ウィルスをモデルとして)
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62580037
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
田口 文広 国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (30107429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 建機 国立精神, 神経センター・神経研究所, 部長 (80005628)
花岡 和則 国立精神, 神経センター・神経研究所, 室長 (40189577)
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Keywords | アンチセンスRNA / マウス肝炎ウィルス / RNAポリメレース |
Research Abstract |
ウィルスに対して感受性動物を、遺伝子工学的手法を用いて抵抗性動物に転換するための基礎的実験として、アンチセンス(anti-sense)RNAを用いてマウス肝炎ウィルス(MHV)に対して抵抗性マウスを作出することを目的として実験を行なった。MHVのgenorne RNAの複製のためには、感染後初期にRNA dependent-RNA polymeraseの翻訳されることが不可欠である。このRNAポリメシースはgenome RNAから翻訳されることから、感染初期の細胞内には極めて少ない数しか存在しないと思れるので、我々はこの遺伝子をtargetにアンチセンスRNAを作ることにした。まずポリメレース遺伝子の5^1末端のcoding regionの約50ヌクレオチドに相当するdouble-strand DNAと5^1末端のinitiation codonを中心に持つ約50ヌクレオチドのdouble-strand DNAを合成し、これらのヌクレオチドのtandem repeat(20〜36回くり返し構造のあるもの)を作り、これをSV40のプロモーターを持つpSV_2ベクターとメタロチオネイン-プロモーターを持つpMTベクターに挿入し、MHV感受性L細胞にpSV_2neoと共にトランスフェクトしいくつかのG814抵抗性細胞クローンを得た。得られた細胞クローンについて、アンチセンスRNAの発現量とMHVに対する抵抗性について検討した結果、この両者の間には相関がない傾向が認められた。現在のところ、何故アンチセンスRNAによりウィルスのポリメレース遺伝子の翻訳が阻害されないのか明らかではないが、今後実際に発現されているアンチセンスRNAの構造を詳しく解析し、アンチセンスRNAによるウィルス増殖抑制の系を確立してゆきたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Hanaoka,et al.: Develop.Grewth Diff.29. 263-270 (1987)
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[Publications] K.Hamaoka.,et al.: Develop.Growth Diff.29. 307-315 (1987)
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[Publications] Y.Takahashi,et al.: Develop.102. 259-269 (1988)
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[Publications] F.Taguchi,;J.O.Fleming.: Virdogy. in press. (1989)