1987 Fiscal Year Annual Research Report
X線散漫散乱の精密測定による合金相転移の機構の解明
Project/Area Number |
62580040
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北野 保行 広島大学, 理学部, 助手 (20033855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小村 幸友 広島大学, 理学部, 教授 (40033774)
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Keywords | X線回折 / 散漫散乱 / 四軸型X線回折計試料高温装置 / MgCd合金 |
Research Abstract |
1.散漫散乱測定用単結晶試料高温装置の作製を行った. 作製に当たっての基本的考え方は次の通りである. (1)現在保有する四軸X線回折計(理学電機製AFC-5)に装備可能であること. このため, 装置の全体の軽量化を図るとともに, 本体をジュラルミン製とした. 全重量は450grである. しかしxの角度が90度に近ずくにつれ, φ軸に加わるトルクが大きくなることは避けられない. 全てのxの角度において, このトルクを相殺するように, 本体釣り下げ装置を工夫した. xサークルの頂上に上から重量が加わるようにした. (2)広い範囲の逆格子空間の測定を可能にし, しかも測定した散漫散乱の強度の補正を, 出来るだけ簡単に行えるようにする. このため試料は平板単結晶を用い, 全ての測定点において対称反射の条件を満たすようにした. また試料の測定面側は, 半径76.5mm, 厚さ1.27mmのベリリウム製の半球を用いた. このことにより, 散乱強度の補正および真空に拘わる諸問題点が解決されたばかりでなく, 測定可能なω及びxの範囲が拡大した. 同時に入射及び反射X線の透過率の大幅な改善がなされた. (3)試料温度を800度Kまで加熱可能とし, 0.1度以内に制御できるようにする. このためニクロム線ヒータを利用して, 輻射熱により銅のブロックでできた試料保持台を加熱した. 予備実験では, ニクロム線ヒータの温度673度Kの時試料温度475度Kであった. ヒータの構造の改良が必要であると考えている. しかし温度制御は, 目的を達していることが分かった. 2.MgCd単結晶の作製. 透明石英管のルツボを使用してブリジマン法により作製を試みている. 3.四結晶モノクロメータの作製は容易でなく, また市販のものは800万円と高価である. 今回の研究では, 使用不可能であろう. 4.この科学研究費補助金により, ベリリウム半球を入手でき, 多くの実験上の困難が克服できた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuyuki KITANO et al.: Philosophical Magazine B. 56. 579-591 (1987)
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[Publications] Yasuyuki KITANO et al.: Procedings of Fourth Asia-Pacific Conference and Workshop on Electron Microscopy. (1988)