1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580047
|
Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大瀧 ミドリ 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40056388)
|
Keywords | 養育者の応答性 / ハートレート / 妊娠期 / 子育てに関する意識 |
Research Abstract |
本年度は, 子どもに対する養育者の応答性をみるための研究協力者の確保と呈示用VTRの制作に多くの時間を費やした. 呈示用VTRの制作:VTRの視聴時にハートレートを着装し, 心拍をRR波で測定することを計画したため, VTRの時間は30分以内に限定する必要があった. そこで, 妊娠初期用VTRは, 実質22分になるよう編集した. 内容は, 女性の膣に射精された精子と卵子が受精し, 4カ月の胎児に成長するまでの過程を写実的に描いたものである. 中期用のものは, 出生直後の乳児がもっている種々な能力から胎児の能力を推察することを意図したもので, 約17分を要す. 尚, VTRの効果をみるために, 約150名の未婚の男女にVTRを視聴させたところ, いずれの映像も胎児及び乳児に対してポジティブな感情を呼び起こす可能性が高いことが明らかとなった. 現在, 研究協力者として, 第一子を妊娠中の夫婦24組の協力を得ている. 研究方法:妊娠初期(4カ月まで)及び中期(5〜7カ月)に夫婦のそれぞれにハートレートを着装し, 呈示用VTRを視聴してもらう. 視聴後, 聞き取り調査を行なう. 子育て等に関する意識についても聞き取り調査を行なう. 1回の面接調査には, 1〜2時間を要す. 結果:1.呈示用VTRに対する反応は, 夫よりも妻の方により効果的だった. 反応の分散は, 夫の方が大きい傾向が認められた. これらの傾向は, 妊娠のどの時期においても認められた. 2.VTRの効果は, 妊娠初期に大きい. これは, 妊娠自身が胎児の存在を実感しえない状況と大きく関連しているように思われる. 3.生理的レベルにおける反応の違いが, 第一子誕生後の応答性にどのような影響を与えるかについては, 今後の継続研究を通して検討する必要がある.
|