1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580047
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Research Institution | The Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大瀧 ミドリ 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40056388)
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Keywords | 応答性 / 1歳児 / 両親 / 愛着行動 / 心拍 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
本年度は、初年度から研究協力を得ている対象家庭の第一子が満1歳になるため、生後12から13ヶ月の1ヶ月間に1家庭につき2回の家庭訪問を行う。1回目は対象児の日常生活を観察し、2回目は半統制滴な実験場面における父・母・見知らぬ人と子どもの関わり合いを観察することを目的とする。家庭訪問時の観察はすべてVTRに録画し、その後VTRの反復視聴により行動評定を行う。実験場面においては心拍メモリ装置を着装し、生理的レベルにおいて子どもが父・母・見知らぬ人をどのように弁別しているかを測定する。 父母の応答性・心拍・妊娠期に視聴したVTRに対する反応等について以下の結果を得る。 1.父母の子どもに対する応答性を発達的に見た場合、いずれの時点においても母親の方が子どもに対して高い応答性を示す。父母の応答性と子どもが父母に対して示す愛着行動と親和行動の関連をみると、愛着行動の表出は応答性の高い親の子どもの方が有意に高い。また、親和行動は反応性の低い親の子どもの方が表出する頻度が有意に高い。 2.子どもと父母との関係を生理的な情報である心拍数によって見たところ、対象児を父>母、父=母、父<母の3グル-プにほぼ同率に分類が可能となる。心拍数は子どもの身体的活動量によって影響を受けるものではある。しかし、各グル-プの子どもの活動性の評価と心拍数の間には必ずしもパラレルな関係が見出ださせないことから子どもと父母の間の精動的な関係の影響が仮定される。また、時系列的に心拍数の変化を見たところ一義的関係は明らかにはされない。 3.妊娠期に視聴したVTRに対して積極的な興味・関心を示したものの方が、子どもに対する応答性においては、むしろ低い傾向が認められる。
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