1987 Fiscal Year Annual Research Report
食品中の水の存在状態に関する研究(糊化でんぷん系の結合水に及ぼす添加物の影響)
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62580060
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
野口 駿 共立女子大学, 家政学部, 教授 (50086708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 文子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (60086725)
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Keywords | 糊化でんぷんの結合水 / 糊化でんぷん-糖の相互作用 / 結合水量に及ぼす塩類の効果 / 緩和時間 / スピンエコー法 / CPMG法 / 水分活性 |
Research Abstract |
1.糊化でんぷん-水系における結合水に及ぼす添加物の影響:米でんぷんに0.5, 1.5, 2.5倍量のグリコース, フルクトース, マルトース, スクロースをそれぞれ加えて糊化し, 種々の含水量領域における結合水量をパルスNMRによる水プロトンの緩和時間から推定した. その結果, いずれの糖を添加した系においてもほゞ2gH_2O/g乾燥物以下の含水量では結合水量の水分の減少と共に増加し, これ以上の含水量では結合水量はほゞ一定となり糊化でんぷん単独の系と同様の蛍光を示したが, この混合系の結合水量はでんぷんと糖とがそれぞれ独立に示す結合水量の和より小さく, でんぷんと糖との間に何等かの相互作用の生じることが示唆された. そしてこの相互作用は糖の比率の高い領域で明瞭に現われることもわかった. 一方, 塩類添加の効果については, 塩水溶液についてスピンースピン緩和時間の測定が拡散効果によって阻害され, 明確な結果が得られないのでスピンエコー法に代えてCPMG法(装置もミニスペックに変更)で検討することとした. イオン水和水に対する従来の解析法の適用に問題はあろうが, この方法によれば塩1g当りの結合水量は0.05g以下であり, 塩の種類及び濃度によって異なることがわかった. またNaClを糊化でんぷんに添加した場合, 1M程度の水溶液ではでんぷんの結合水量をほとんど変化させなかった. 2.-20°Cにおける不凍水測定のための対策とその実用的意義の検討:精度の向上を期待して購入(校費)したミニスペックがモデルチェンジし-10°C以下では精度が落ち, 予期した成果が得られないことが判明した. したがって従来の装置(プラクシス社PR-103)での測定精度の向上の工夫が必要となった. この点の解決にはまだ時間を要するものと思われ, この多重層吸着水の挙動を追跡するために水分活性の検討が有効ではないかと考え, 若干の試料について測定し, なお継続中である.
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Research Products
(2 results)