1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 栄太郎 京都大学, 教養部, 助教授 (00026808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 敏夫 京都大学, 教養部, 助教授 (90175638)
田口 貞善 京都大学, 教養部, 助教授 (90086819)
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Keywords | 老化 / 中高年者 / 女子 / 生物学的年齢 / 体力年齢 / 重回帰分析 |
Research Abstract |
標記研究課題を3年間で達成するため、次の2つの研究計画、(1)生理機能を中心とした項目による体力年齢の推定、(2)パフォーマンス・テストを中心とした項目による体力年齢の推定を立案し、初年度より同時に研究を開始した。62年度は、測定資料のある程度まとまった(348名の資料)(2)の研究の成果について報告したが、本年度は(1)の研究の成果と(1)と(2)の両体力年齢の関連について検討した結果を報告する。 老化を測る尺度としては、現在迄のところ、生物学的年齢がよく用いられる。生理的変数にもとづいて計算された体力年齢は、ある意味で生物学的年齢に等しい。本研究では健康な女子中高年者の生物学的年齢の推定式を求めるために、65名に呼吸・循環器系の機能及び血液性状、脂質、蛋白及び糖代謝、腎臓及び肝臓の機能から選ばれた21変数を検査・測定した。検査値相互の間に存在する相関、いわゆる多重共線性によってもたらされる情報量の損失を防ぎ、なるべく小数でかつ意味のある予測変数を選びだすために、これら変数の相関行列にクラスター分析と因子分析を適用した。その結果、FVC(X_1)、安静時心拍数(X_2)、収縮期血圧値(X_3)、GOT(X_4)、動脈硬化指数(X_5)、尿素窒素(X_6)、ヘモグロビン(X_7)の7変数が予測変数として選びだされた。生物学的年齢算出のための測定モデルとしては、既に主成分モデルが重回帰モデルより理論的にみて優れていることを明らかにしたが、未だ被検者数が少ないため、主成分モデルを用いても精度の高い推定式を得ることは困難と思われる。そこで今回は、従来からよく用いられる重回帰モデルを用いて生物学的年齢(BA)の推定式を求めた。その結果、BA=29.3-0.004(X_1)-0.15(X_2)+0.16(X_3)+0.09(X_4)+1.82(X_5)+0.25(X_6)+0.4(X_7)を得た。なお、求め得た生物学的年齢と体力年齢(5変数をもとに重回帰モデルを用いて計算)の相関はR=0.82であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Eitaro Nakamura: Mechanisms of Ageing and Development. 46. 1-18 (1988)
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[Publications] Eitaro Nakamura;Toshio Moritani: Eur.J Appl.Physio.(1988)
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[Publications] Eitaro Nakamura: American Aging Association 18th Annual Meeting AGE.